円楽師匠の優しさに座布団10枚 追悼番組で知った、「笑点」とは異なる姿

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   「笑点」でおなじみの落語家・六代目三遊亭円楽さんが亡くなったのが9月30日(2022年)。翌10月1日にはアントニオ猪木さんが亡くなったため、週末のニュースはインパクトの強い猪木さんの話題が中心で、円楽さんは割りを食ったイメージ。ま、いずれ「笑点」でやるだろうと思ったが、テレビ東京系のこの番組(世界!ニッポン行きたい人応援団『ありがとう!三遊亭円楽さん』、10月10日)は予想していなかったぶん、感動も一入(ひとしお)だった。

  • 三遊亭円楽師匠(2016年撮影)
    三遊亭円楽師匠(2016年撮影)
  • 三遊亭円楽師匠(2016年撮影)

ジョージア出身の落語を愛してやまない女性に「稽古」を

   番組では、4年前にジョージア出身の落語を愛してやまない女性・ケタさんをニッポンに招待していたが、その際、円楽師匠が彼女に落語の手ほどきをするというものだった。

   ケタさんに落語の稽古をつけてくれるということで、稽古場に向い、師匠に『寿限無』を見てもらうと、「もう少し気持ちを入れてやってみて」と優しく指導。もう一度、稽古をみることを約束する。

   それに応えるように、練習を重ねたケタさん、横浜にぎわい座で二人会を行っていた円楽師匠の元を訪ね、その成果を見てもらう。短期間ながら熱心に稽古に打ち込んできた真面目なケタさんに、客前で披露することを提案する師匠。舞台で『寿限無』をやるケタさんの様子を袖から見守る様子は、「笑点」で見せるちょっと嫌味な芸風とは異なる、優しく思いやりのあるほんとうの円楽師匠に思えた。

   帰り際、師匠からは落語をする時に使う扇子をプレゼント。そこには師匠自らがジョージア語で「ケタさんへ」と書いたサインもあった。

   そこから1年8カ月。ケタさんからのビデオレターでは、彼女のYouTubeを見た人から多くの反響があり、ジョージアで1番人気の朝の情報番組に出演したこともあり、さらに来年から東京福祉大学に留学することも報告。結果コロナで留学は延期になり、円楽師匠も亡くなってしまった。

   番組スタッフも、まさか稽古をしてくれるとは思わなかったと、語っていたように、すべて円楽師匠のとりはからいだった模様。亡くなってから、実はいいひとだったと知るなんて......。いい番組だった。合掌。

(くろうさぎ)

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