マイナンバーカードの普及を加速させるため、政府は現行の健康保険証を2024年秋にも原則廃止し、マイナンバーカードに一本化させる方針を固めた。「来年の3月末までにほぼ全員に(マイナカードが)行きわたるようにするという目標も掲げています。本当に可能なのでしょうか」ときょう13日(2022年10月)の「スッキリ」で森圭介アナウンサーが伝えた。
マイナンバーカードとは、国民1人ずつに12ケタの個人番号を割り振ったマイナンバーが記載された顔写真付きカードのこと。マイナンバー制度は、納税や年金などに関する個人情報を一元化して管理する仕組みで、行政手続きなどにおいて、情報を照合する労力を削減できる。2016年の運用開始以降、しばらくは普及率が低迷していたが、ポイント付与などの措置によって今月10日時点で49.5%となっている。
「カードをいっぱい持ち歩いていて...」
マイナンバー制度について調査・研究している野村総合研究所の梅屋真一郎氏「現在マイナンバーカードを申請中の方々を含めると大体7000万枚で、普及率は6割近くになります。国は年末までに8100万枚を目標にしており、手ごたえは十分感じているようです。8100万枚というと、運転免許証と同じぐらいの数です」
「マイナ保険証」は昨年10月から運用が始まっている。森アナがメリットについて「保険証、診察券、お薬手帳といったものを持ち歩かなくてもよくなります」と説明し、MCの加藤浩次も「複数の病院にかかっている人は、薬の飲み合わせが悪い場合もある。お医者さんがそれをカードで見られるようになれば、便利だなと思いますね」。
加藤はすでに健康保険証とマイナカードを一本化しているが、「マイナンバーカードではできない病院やクリニックもまだあるんですよね」ともコメントしていた。
様々な個人情報を一本化する場合、心配なのがセキュリティーの問題だが、梅屋氏は「マイナカードを失くしたり盗まれたりしたときは、政府のコールセンターに連絡すればすぐに無効になるので、悪用されるおそれはありません。ただ、再発行の手続きは少し時間がかかります」と説明した。
モーリー・ロバートソン(国際ジャーナリスト)「保険証、戸籍、住民票、納税データなど全部一本化された方が楽。戸籍の手続きなどにかかる時間を自分のために使いたい」
加藤「マイナカードについては『セキュリティーは大丈夫?』と言う人が必ずいるけど、今、免許証や保険証、カードをいっぱい持ち歩いていて、そのセキュリティーを果たして考えているでしょうか。1枚になる方が怖いという幻想ですね」
坂口孝則(経営コンサルタント)は「その100倍、1000倍の情報をGoogleなどに差し上げているような時代です。背景には政府不信があるのかもしれません」
最後は「ETCカードのようにある程度普及してくれば、マイナカード1枚で生活することが当たり前になると思います」という梅屋氏のコメントに全員がうなずくなど、さながら「マイナ保険証」のPR番組のようだった。
(キャンディ)