長崎・五島で、祖母の才津祥子(高畑淳子)と2人の生活を始めた岩倉舞(浅田芭路)。祥子は自分のことは自分で出来るようにさせようと、あえて舞の手助けはしない。
目覚ましをかけずに寝て学校に遅刻したり、食器を割ってしまったり...。それまで母・めぐみ(永作博美)に頼り切りだった舞は失敗を繰り返す。でも、祥子は「失敗ばすっとは悪かことじゃなか」と教えるのだった。
失敗しながらも「上達」
ある日、祥子の仕事を手伝うことになった舞。摘み取ったビワでジャムを作り、それを瓶詰にする。やはり失敗はしてしまうが、それでも少しずつ上達していくのだった。最後まで手伝いをやり抜いたことで、達成感を感じる舞。その日以来、舞の中で何かが少しずつ変わっていった。
祥子は舞の変化を東大阪にいるめぐみに電話で報告。めぐみは夫・浩太(高橋克典)と共に娘の成長を喜ぶ。
祥子の瀬渡しの仕事を手伝った日、舞は船の名前が「めぐみ丸」であることに気付く。めぐみとの間に何があったのか...。舞に尋ねられた祥子は、めぐみとの過去を話出す。そして14年間抱えていた思いを吐き出すのだった。
自分でできることが増えるにつれ、舞は発熱することが少なくなっていった。そして五島に来て1カ月ほどがたったある日のこと。祥子に頼まれ、舞はジャムを浦一太(野原壱太)の家に届けにいくことになる。
浦家に着いたその時、妊娠中の一太の母親・莉子(大橋梓)が産気づいてしまう。陣痛に襲われ顔をゆがめる莉子を見て、助けを求めに祥子のもとに走った舞。祥子と浦家に駆け戻ると、今度は浜にいる一太の父・信吾(鈴木浩介)を呼びに、再び駆けだした。
莉子は無事に男の子を出産。一太は、弟の誕生祝に制作したばらもん凧を一緒に揚げようと舞を誘う。しかし、1度凧揚げに失敗していた舞は首を縦にふることができない。
祥子に勧められ、めぐみに相談した舞は、「やはり自分もばらもん凧を揚げたい」と思い直す。そして、自分からその思いを一太に伝える。
そして凧揚げの日。浦家の次男誕生を祝う人たちが集まる中、いよいよ凧揚げが始まろうとしていた。一太は舞に歩み寄ると、たこ糸を差し出した。「舞、先に飛ばしてみんね」。