臨時国会できのうから始まった代表質問は、過去めったにないぐらい変則模様の幕開けとなった。旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)をめぐる「後出し大臣」や衆院議長のかかわり追及で「非常に紛糾」(司会の谷原章介)、「異例の展開」(永島優美アナウンサー)と6日(2022年10月)のめざまし8が伝えた。
「後出し大臣」とは、旧統一教会関連団体の会合に出席した事実などが連続して発覚し、この国会開会前には最高指導者と面会までもをひた隠してきた山際大志郎・経済再生担当大臣のこと。バレるたびに「記憶があいまいだった」といった言い訳を繰り返してきたため、とんだ別称・蔑称がつけられた。
旧統一教会問題など
立憲民主党の泉健太代表は岸田首相に「更迭しないのか」と要求したが、岸田首相は「説明を尽くす必要がある」というだけで拒否した。
議長の問題は、さらに異様なシーンも。旧統一教会系の会合に4つも出席したうえ、関連団体の名誉会長にも就任していた細田博之議長に対して、泉氏は発言席から議長席を振り向き「答弁して」と求めた。細田議長が先月29日に出した説明書きがA4判1枚だけだったためだが、議長はほとんど無表情でスルー、スルー。
泉氏は「旧統一教会との密接な関係は自民党内で特に安倍派・細田派と深く築いてきた」と指摘し、議会運営委員会の場で答えるように求めた。無言だった細田議長は本会議終了後「来週中には出そうと思う」と語り、また紙の追加コメントですます考えらしい。議会答弁にも記者会見にも応じず、自分の言葉で質疑応答ができないのなら、議長どころか政治家・議員としての資質も問われるとの批判が上がるかもしれない。
岸田首相が自身の長男・翔太郎氏(31)を総理秘書官に抜擢した問題も取り上げられたが、岸田首相はここでも「適材適所」「総合的な判断」と、使い古された決まり文句を繰り返すばかり。「なぜ身内を?」「家族優先か」の疑問をかわすだけで終わった。
三浦瑠麗(国際政治学者)「両方が得点を下げる行為に見られる。岸田政権の評価は下がるが、野党のスキャンダル追及にも食傷感がある」
谷原「細田議長に対する追及のし方をどう見ますか」
古市憲寿(社会学者)「泉さんは存在感を出すためにこういうふうに頑張らなきゃいけなかったのではないか。学級会みたいな国会を見て、普通の人はちょっとひいちゃう」
大空幸星(NPO運営者)「対決姿勢を鮮明にするほど離れる国民もいる。そこを超えることが大事です」
論戦はまだ続く。こんな国会でも精いっぱい関心を持てば、わかってくることもあるはずだ。
(あっちゃん)