NHKの朝ドラ「舞いあがれ!」10月5日(2022年)放送の第3回。父・浩太(高橋克典)は「東大阪のことは自分がちゃんとやるから」と、ヒロイン舞(浅田芭路)と母・めぐみ(永作博美)を五島列島へ送り出した。2人が見えなくなったときの父の表情はよかった。
当初は「ぶっきらぼう」だったが...
そしてめぐみにとっては15年ぶりの故郷、五島。フェリーを降りると、そこにはめぐみの母、祥子(高畑淳子)が迎えに来ていた。仁王立ちの母。心の距離を感じる再会の瞬間だ。2人の間に何があったのだろうか。
祥子の家へ着いたあとも、態度はぶっきらぼう。吐き捨てるような、めぐみへの振る舞いがますます心配にさせる。
そしてお茶の間の場面。鬼の形相の祥子と目を合わすこともできずにいるめぐみ。張り詰めた空気。祥子が立ち上がり、浩太が毎年送っていた年賀状をめぐみに見せながら、ずっと気にかけていたことを伝えると、ゆっくりと少しずつ優しい顔になってお茶をすすった。緊張があって照れもあるふたりがほぐれていく。空気がだんだんと柔らかくなっていく。
親子というのは、ほんの数分で、距離があっても時間が経っても、結局は懐柔していくんだなとつくづく思えた場面だ。
なんといっても高畑さんの演技が素晴らしい。またその解けていく祥子の心をうまく読むめぐみ。永作さんが方言で話し返しているのもうまいと思った。さすがのお二人である。「色々あった田舎の母との再会...演技派俳優たちの空気だけでのやり取り!! 台詞のないあの再会シーンだけで涙出た」「高畑淳子の雰囲気と芝居がとってもいい」「単純ではない母心がひしひしと伝わる五島での再会シーンだった」など母娘のシーンにネットも注目していた。
3話目にしてすでに五島に行くスピード感がよい。毎朝しばらく美しい景色が見られると思うと嬉しい。舞の五島生活がはじまった。
(Y・U)