「鎌倉殿の13人」 政子の「父の命乞い」に泣けた その「潔さ」と行動力

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   NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」10月2日(2022年)放送回。激しさを増す北条親子による主導権争いが最終局面だ。(ネタバレあり)

   北条時政(坂東彌十郎)とりく(宮沢りえ)は、三浦義村(山本耕史)に命じて源実朝(柿澤勇人)を屋敷へと連れ込み、実朝に鎌倉殿の座を娘婿・平賀朝雅(山中崇)へ譲る起請文を書かせようと迫った。それを知った義時(小栗旬)は、泰時(坂口健太郎)、時房(瀬戸康史)、八田知家(市原隼人)らを引き連れ、時政を討伐するために屋敷を包囲した。

  • NHKの「鎌倉殿の13人」番組サイトより
    NHKの「鎌倉殿の13人」番組サイトより
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「政に私情をはさむことはできない」という義時に...

   三浦義村によって北条の屋敷から脱出したりくは、時政が死ぬ覚悟であり、悪いのは自分、助けて欲しいと政子(小池栄子)に時政の命乞いをする。そのりくの態度のあと、政子は義時のいる北条屋敷の前に駆け込む。

   御家人たちが集まり、ピーンと張り詰めた空気のなかに政子が「子が親を殺すようなことがあってはならない」と義時に迫るが、義時は、「政に私情をはさむことはできない」と拒む。すると政子は父を許してほしいと御家人たちの前で土下座。「娘として父の命乞いをしているんです」と訴えた。

   政子にとっても義時にとっても、父である時政。そして二人とも鎌倉を守る立場。辛い選択が迫り、どうしようもなく父の代わりに土下座をして謝ろうとする政子の命乞いに泣けた。「政子が声を震わせながら皆の前で土下座」「尼御台としてではなく娘として父の命乞いをする政子さま」「本当は義時が一番父の命乞いをしたかったんだろう」などとSNSでも注目を集めた。

   政子の、女性としての潔さには憧れるものがある。男性にはできないことであり、さまざまな局面でそれが歴史を動かしたのかと思うと感動がある。

   このあと、時政は死罪を逃れ伊豆へ島流しとなった。義時は本望ではないといっていたが実父に今生の別れ、無念といいながら号泣。

   時政父は、りくという愛妻がいるけれども、こんな娘と息子がいてよかったではないか。北条家の長として頼朝を助け、娘を源氏の正室に出し、その後北条家の繁栄を経て執権となり、そして愛する息子に執権の跡継ぎを任せることができたわけだ。伊豆で静かに暮らしたそうだが、それもまた本来の時政父が望んでいたことだと思う。

   執権となった義時の恐怖政治が続くのかと思うと恐ろしいが、俳優陣の凄みが増してきて、今後の展開がますます楽しみである。

(Y・U)

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