1994(平成6)年。小学校3年生の岩倉舞(浅田芭路)は、ネジ工場を経営する父・浩太(高橋克典)、母・めぐみ(永作博美)、兄・悠人(海老塚幸穏)の4人家族で、大阪府東大阪市に住んでいる。
舞は原因不明の発熱を繰り返す病弱な子どもで、その年も始業式から1週間も休んでしまった。
新しいクラスに馴染めるのか不安だったが、めぐみに背中を押され、登校した舞。走るとすぐに熱が出てしまうので、休み時間は飼育小屋に向かった。そこで飼われているウサギの「スミちゃん」が舞のお気に入りだ。
ウサギがいない!
幼なじみの梅津貴司(齋藤絢永)に勧められ、飼育委員になった舞は、その後、生涯の親友となる望月久留美(大野さき)と一緒にウサギの世話をすることになった。
しかし、放課後に飼育小屋に行くと、ウサギがいない。校庭を走り回って必死に探し回った舞は、その夜また熱を出した。
浩太とめぐみが舞を病院へ連れていくと、医師は両親に「舞の生活環境を変えてみてはどうか」とアドバイスする。
娘の体を心配し、疲れ切っためぐみを見かねた浩太は、めぐみの母・才津祥子(高畑淳子)が暮らす長崎の五島に連れていってはどうかと提案。自然豊かな環境が、舞の体調に良い影響を与えるのではと考えたのだ。
祥子とギクシャクしているめぐみは戸惑うが、浩太に背中を押され、五島で舞と暮らすことを決断する。
そして数日後、舞とめぐみは五島列島にやってきた。フェリーが着く島の港では祥子が待っていた。めぐみにとっては15年ぶりの母との再会。そして舞にとっては祖母との初の対面だった。
祥子が操る漁船に乗り継ぎ、3人は知嘉島の才津家へ。くつろぐ間もなく、めぐみの幼なじみの浦信吾(鈴木浩介)が訪ねてきた。舞は信吾の息子で同年代の一太(野原壱太)と出会う。
地元の人たちと知り合い、舞は少しずつ知嘉島での暮らしに慣れていく。一太のおかげで小学校にもすぐなじむことができた。
一方、祥子は舞のことを過剰に心配するめぐみのことが気がかりになっていた。そして、めぐみだけ東大阪に帰れと助言する。
祥子の言葉をなかなか受け入れられなかった祥子だが、ついに舞を祥子に預けることを決断。舞も祥子と2人で暮らす覚悟を決めるのだった。