先週懲役15年の判決が出された5歳男児餓死事件ママ友裁判や、旧統一教会問題などで注目されているマインドコントロール。コミュニケーションなどで心理状態をあやつり、意思や行動を支配することだが、支配されている側は「自分の意思で行動している」と思い込んでいることから、抜け出すことが非常に困難だ。今日26日(2022年9月)の「スッキリ」は家庭や職場・学校など生活のすぐそばで起きているマインドコントロールの実例を紹介しながら、抜け出す方法について専門家に話を聞いた。
人はどのようにしてマインドコントロールに陥っていくのか。立正大学の西田公昭教授は、「権威の構築」「恐怖を与える」「社会的遮断」の3つのポイントを挙げる。
職場や学校、家庭でも
ママ友裁判で、被害5歳男児の母である被告は、「トラブルを解決してくれるボス(架空の人物)という権威」「金銭要求に応じなければひどい目にあうという恐怖」「ママ友が悪口を言っていると嘘の情報を吹き込まれ周囲と遮断」という手法でマインドコントロールされていた。裁判で「なんで気づかなかったんですか」と問われた被告は「わからないんですよ。なんでだろうと自分でも思うんですよ」と答えている。
マインドコントロールは職場や学校、家庭でも起きている。幼少時から母親に精神的に支配され、40年にわたってマインドコントロールされていたという女性は「いうことを聞かなければ母親が死を選ぶ」という恐怖から、就職や結婚まで母親の作ったレール通りに進んできたという。
この女性がマインドコントロールから抜け出したきっかけは母の入院だった。親子の会話を聞いた医師から「こういったお母さんを持った子どもはつらいんですよ」と言ってくれて、初めてマインドコントロールされていたことに気がついた。しかし、今でも母が怖いという。
番組では明星大学の藤井靖准教授をスタジオに招いて詳しく話を聞いた。
藤井准教授「そんなことはないと思っていても、要素が揃うとかかってしまう可能性がある。また、自覚しないうちにマインドコントロールをかけてしまう側になってしまうこともある。自分を知ることが大事」
この他、かかりやすい人には共通点があるという。
「大きな悩みや問題がある」「ニュースやドラマで泣いてしまうことがある」「雑談で自分の本音は話さないほう」「初めて会った人をいい人だと思うことが多い」「迷うことがあてもすぐ決断したい」「趣味は1つ・全くない」「親密な人が近くにいても孤独を感じることがある」「メールの返信はすぐしたい」「イベントに夢中になりやすい」「おまじない・占いが好き」「ささいな約束をやぶったり遅刻したりすることはまずない」の11項目のうち5つ以上当てはまる人はハイリスクだという。
加藤浩次「占い師のかたにべったりになって他のいうことを聞かなくなる人もいる」
藤井准教授「情報の1つとして取るのはいいが全部となるとその方向に突き進んでしまう」
加藤浩次「気付く方法はあるか」
藤井准教授「一つは決断は時間をかけて考えること。もう一つは3人の人に相談すること」
石田健「コミュニティを分散させることも大事」
杉山愛「スポーツの世界では指導者側も気をつけなければいけない。幼少のころからそれしか知らないと客観視することも難しい」
(みっちゃん)