昨年3月の本コラムで、私が担当していた「24時間TV」や「THE 夜もヒッパレ」を演出してくれたハウフルスの菅原正豊さんと一緒に「日本の芸能エンターテインメント史」という本を企画していることをお知らせしました(21年3月13日配信記事)。
企画から3年を経て、この9月20日に、『芸能界誕生』(新潮新書)として発売されました。 著者は、戸部田誠さんです。日本のエンターテインメントはどのように始まり、どのように芸能界が形づくられてきたのか。そこを丹念に掘り起こしていく取材を、我々も一緒にしました。この本の完成には、菅原さんの尽力が大きかったです。
ルーツは「日劇ウエスタンカーニバル」にあり
意外と知られていない芸能界のルーツは、1958年に始まり、1981年まで続いた「日劇ウエスタンカーニバル」にありました。
そこで出演者の立場で活躍し、その後は、マネージメントする方に回った、例えば、堀威夫・田邊昭知・相澤秀禎・飯田久彦たちのことを、取り上げたものです。
「日劇ウエスタンカーニバル」をプロデュースしたのは、渡辺プロダクションの渡邉晋・美佐夫妻でした。
戦後の日本で、1946年に最初の芸能プロダクションを立ち上げたのは、マナセプロダクション(オリエンタル芸能社)の曲直瀬正雄・花子で、彼らは渡邉美佐と、マナセプロダクションの曲直瀬道枝の両親です。
芸能プロダクションの歴史というものは、意外と知られていないもので、この『芸能界誕生』という本が、それを知る手掛かりになればと思います。