橋本愛さん扮する謎の家庭教師・根津寅子(通称トラコ)が問題を抱える3つの家庭で授業を行う「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系)が、9月21日(2022年)に最終回を迎えました。トラコの強烈なキャラクターと本質を突いたセリフが注目された本作。最終回では、トラコを救った3人の母親たちとの絆、そして福田福多(中村蒼)とのハッピーエンドに、感動の声が広がっていました。(以下ネタバレを含みます)
実の母に捨てられてから20年以上、孤独と怒りを抱えて生きてきたトラコ。教え子の母親である里美(鈴木保奈美さん)、智代(板谷由夏さん)、真希(美村里江さん)に想いをぶつけることで心の闇は消え去り、これまでの無茶な生き方を改めて家庭教師に戻りましたが、3人の教え子たちが皆「受験をやめたい」と言い出す緊急事態が起こってしまいます。
「私には好きな言葉が3つある」
以前はどんな難題でも突飛なアイデアと強い言葉で解決してきたのに、今は子どもたちを大切に思っているからこそ、どうしたらいいのか分からない。窮地に陥ったトラコが助けを求めたのは、やはり福多でした。自身の結婚式を控えて準備に追われつつも、トラコに的確なアドバイスを送った福多の活躍もあり、子どもたちはそれぞれにとってベストな決断を下し、家族との絆はさらに深まっていきます。
我が子のようにトラコを心配する3人の母親たちにとって、気になるのはトラコと福多の関係。「子どもたちの問題は解決したけど、自分の問題は解決してないよね?」「好きなんでしょ」「彼も絶対あなたのこと好きよ」とおせっかいを焼くと、背中を押されたトラコは結婚式場に乗り込み、福多の奪還(!)に成功。自分も子どもの頃から福多が好きだったと告白し、「裏切られたことが分かった時は悲しくなったし死にたくなったけど、それ以上の優しさや愛をくれたことは一生忘れらことができない。これからも私のそばにいてくれないかな」と気持ちをまっすぐに伝えたのでした。
そして迎えた試験の結果発表の日。智代の店に集った3組の前で、トラコは「北海道の小さな町で家庭教師をする。自分を呼ぶためにお金を貯めてくれた子どもたちに、これが正しいお金の使い方だと伝えたいから」と決意を語ります。子どもたちは突然の別れにショックを受けますが、「私には好きな言葉が3つある」と「覚悟、勇気、愛」の3つを挙げてエールを送ると、たくましく晴れ晴れとした表情に。ずっと支えてくれた3人の母親たちには「お母さん!」と呼びかけ、こう伝えます。
「7歳の時に母がいなくなってから、心の中でずっと理想の母親像を描いていました。それは、強くて、明るくて、優しいお母さんです。3人は私の理想のお母さんなんです。だからこれからも、お母さんって呼ばせてもらってもいいですか」
「当たり前じゃない」と笑い合う3人の母親たち。「そうか、先生はサンタクロースになるんだ。だって世界中の子どもに愛を届けたいんでしょ?」と里美が言うと、トラコはこう続けます。
「そんなうに言ってもらえるとうれしいです。私、サンタクロースって世界で一番正しいお金の使い方だと思うから。毎年クリスマスになったら世界中のサンタさんが、愛する人のために一生懸命考えてプレゼントを買ってるんです。みんながいつもそんなふうにお金を使うことできたら、どんなに素敵なお金の使い方だろうって思うんです」
ドラマの主題歌である森山直太朗さんの「茜」が流れる中、茜色の空の下で皆が「トラコー!」と叫び、北海道にいるトラコが振り返るハッピーなエンディング。Twitterでは「トラコが3家族の運命を変えていくのかと思いきや、トラコも3家族によって変わっていった姿に心が温かくなった」「ベタだし、ありえないし、無理がある物語でも、人として大事なことを伝えてくれて感動がドンとあるドラマは大好き」といった感想が飛び交っていました。
(Hibunny)