NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」9月18日(2022年)の放送回。北条時政(坂東彌十郎)と畠山重忠(中川大志)とのどうしようもない対立が続いていた。(ネタバレあり)
りく(宮沢りえ)を信じる時政は、源実朝(柿澤勇人)の下文を得て御家人を招集。三浦義村(山本耕史)、和田義盛(横田栄司)、稲毛重成(村上誠基)らが集って対応を協議する。
鬼気迫る勢い
時政は畠山重忠討伐を決意するなか、義時(小栗旬)は「なぜ、こんなことに...」と思い悩んでいたが、実際「なんでー?」と謎だらけだ。りくの罠に嵌められた畠山の方が、なぜ「謀反」を起こしたことになるのだろうか。まったくワケがわからん。時政オヤジが野心女のりくにアホ惚れのせい?まったく納得いかない。きっと畠山自身もちんぷんかんぷんだったはず。鎌倉時代というのは、全くどうしようもない事で戦が起きていたんだわねと改めてため息しか出ない。
和田義盛の説得に「戦など誰がしたいと思うか!」と吠える畠山。そりゃそうだ。御家人同士の戦のなかで、止められるものなら、誰か止めて欲しいと思う一戦だと思う。つまりここは冗談抜きで山場といっていい。
そして義時との一騎打ちの場面。殴り合いの2人は鬼気迫る勢いで流石の演技であった。刀を捨てて殴り合うのは、盟友だったはずの男同士が殺し合う不条理への「なぜ」を表していた。
最後、義時に向かって小刀を振り下ろした畠山。小刀は義時の顔の横に。フラフラと立ち上がって、馬に乗って去っていった。あっぱれである。武士の鑑であった。武士の誇りだけを守ったと義時があとで言っていたが、まさにそれだけを死守したといえよう。「畠山どのは本当に武士の鑑でした」「だめだ、畠山重忠。死ぬのであれぱ、私は泣く」「畠山...最後まで綺麗だったよ...」「本来なら畠山勝利 畠山 最期までかっこよすぎ」などネットでも注目を集めていた。
御家人のなかのヒーローがまたひとり消えた。悲しい物語。まさに畠山ロスがしばらく続くと思われる。まだまだ続く殺し合いと悲哀。義時の顔つきは悪魔的になってきた。
(Y・U)