日本時間昨日(2022年9月19日)午後7時から、ロンドン市内のウエストミンスター寺院で英エリザベス女王の国葬が行われた。20日の「スッキリ」は、国葬の様子を伝えるとともに、今後の英王室の方向性について詳しく報じた。
一般市民の弔問、最長30時間待ちの列
女王の棺には大英帝国王冠のほか、キリスト教の世界を象徴する宝珠、王室の力を象徴する笏が載せられていた。棺を飾る花はチャールズ新国王の要望で、王宮の庭園から摘まれたものが使われた。ロンドン在住ジャーナリストの木村正人さんは「(ウエストミンスター寺院は)王族の結婚式も行われる場所で、フィリップ殿下との結婚もここでされている。長く連れ添われたので選ばれたんじゃないか」と語る。国葬にはチャールズ新国王、カミラ王妃、ウィリアム皇太子ら王室メンバーが参列。一方、王室を離脱したヘンリー王子は軍服を着る他の王族とは異なるモーニング姿。日本からは天皇陛下と皇后雅子さまが参列された他、バイデン米大統領など世界各国からの要人を含め2000人以上が参列した。
イギリス国内は休日となり、国葬を中継するパブリックビューイング会場には多くの市民が集まった。棺がロンドンの宮殿に安置されていた時には、一般市民の弔問が最長30時間待ちの列を作っていた。在位70年、96歳で亡くなった女王は、なぜイギリス国民にここまで愛されるのか。
番組では女王が国民に向けて送ったテレビのクリスマスメッセージを紹介した。1957年、当時31歳のエリザベス女王は「多くの国民にとって遠い存在に見えるのは仕方ないことでしょう。しかし、少なくとも数分間は私の自宅の平和な空間に皆さまをお招きします」と語りかけ、その後女王のクリスマステレビメッセージは毎年の恒例となった。その後英王室はツイッターやインスタグラムにも情報を発信し、開かれた王室を目指した。
女王は年300回くらいの公務をこなし、イギリス国民の10人に3人くらいが直接会われたり、間近で見られたりしたという。
国葬後、女王の棺はウインザー城へ移され、礼拝堂の一角で夫のフィリップ殿下のとなりに埋葬された。イギリスの王室は今後どうなるのか。木村正人さんは「一つの時代が終わった。ちいさな王室を目指していくことになるのではないか」と語る。
ロバート・キャンベル(日本文学研究者)「(国葬の際の賛美歌を)結婚式のときの賛美歌を使ったり、棺の上に置かれたギンバイカが、結婚式の時のブーケを育てたものだったりと、故人にどう思いを伝えるかと同時に、国家がどうあるべきかをイメージしている。一つが多様性。王室が国家国民の統一をどう図るか。2000人の参列者の中には、貴族や各国元首にまざって公益事業に関わっていた一般市民200人が入っていた。こうしたビジョンを打ち出していくことをやっていた。国はどうあるべきか、リーダーの責任感だとか感じさせる葬式だった」
(みっちゃん)