自民党と旧統一教会の関係について、自民党の調査結果にはなかった新たな「接点」が次々と浮上してきた。「正直者がバカを見た」との不満が自民党内から出ている現状を、12日(2022年9月)の「モーニングショー」が特集した。
調査結果公表後も...
自民党が8日に旧統一教会との関係調査結果を発表した後も、「新たな接点」が次々と浮上している。河野太郎・消費者担当大臣は霊感商法対策検討会を消費者庁に立ちあげたばかりだが、18年前の旧統一教会の関連団体のイベントに「在日コリアンの和合が朝鮮半島の和合だ」(2004年)と祝辞を送っていたと、先週の週刊誌が報じた」。自民党の調査結果には、河野氏の名前はなかった。河野氏は9日の会見で「事務所で確認したが、18年前の資料がない。統一教会と関わらないという事務所の方針は変わりない」。
一方、下村博文・元文科相は、昨年10月の衆院選で「選挙支援を依頼」。自民党の調査結果では「関連団体からの寄付、パーティー収入があった」。下村氏は、旧統一教会の関連団体の関係者がいる集会で、同団体の推薦状をもらった。集会と同じ日に、下村氏は、関連団体幹部と写真撮影していた。この情報を提供したジャーナリストの鈴木エイト氏(『自民党の統一教会汚染、追跡3000日』著者)は、「下村さんの場合、教団に対してなんらかの便宜供与を与えた可能性もある。それと河野さんを並べるのは問題がある。関与の濃淡について、濃い人についてきちんと追及したうえで、だれが正直に答えているのか。今度の調査では、教団に便宜供与を与えたか、という項目はない」
自民党の調査では、旧統一教会関連団体の会合への出席については、「本人出席、挨拶あり」が96人、「本人出席、講演」が20人、「旧統一教会主催の会合に出席」が10人だった。旧統一教会などの会費類の支出については、「選挙ボランティア受け入れ」が17人。「選挙支援の依頼や組織的支援・動員などの受け入れ」は、衆議院の斎藤洋明議員と参議院の井上義行議員の2人を発表した。衆院当選4回の斎藤洋明議員は、「昨年の選挙で、複数人の電話かけボランティアを受けた」と報告、「今後は世界平和統一家庭連合と関係を持たず、疑念を持たれることのないよう活動していく」。
しかし、ある議員秘書からは、「教団信者に選挙を手伝ってもらっている、と秘書から直接聞いた議員の名前がなかった」。中堅議員は「選挙で何人も来てもらったことが、組織的支援になるなら、みんな該当する。井上氏と同列に公表されるなんて、正直者がバカを見た、という話だ」。
鈴木エイト氏は「第3者を入れた委員会を作らないとわからない。安倍派にまったく切り込もうとしていない、国民はそこを見ている。そこを徹底的に調べますよ、という姿勢を岸田首相が見せれば、支持率も上がると思う。教団側に便宜を図ってきた人はごく数人に絞られる。本筋の疑惑は安倍派に集中している。そこを調べないと」
(栄)