北海道長万部町の神社敷地から30メートルの水柱が突然吹き出してから1カ月が経つが、その後どうなっているのか。今日12日(2022年9月)の「スッキリ」は阿部祐二リポーターが現地を取材するとともに、今も収まらない騒音問題について詳しく報じた。
「しばらくぶりに来ましたが、勢い、高さ、轟音ともいえる音はまったく衰えることを知らないですね」(阿部リポーター)
「対策」の申し出も
水柱を一目見ようと多くの観光客も。人口5000人の町に、一日3000人から4000人の見物客が訪れているという。静岡から来たという男性は「吹き出している音が大砲でも撃っているような感じ。すごいですね」と語るが、この騒音が町の人を悩ませている。
近隣住民からは「やっぱり熟睡はできませんね。この音ですからね」「2時間おきに目が覚めます。神経がおかしくなってきます」などの声が。
水柱から90メートルのところにある住宅で騒音を測ってみると76.8dB(デシべル)。これはバイクのすぐそばや幹線道路の周辺、鉄道の車内に相当する騒音だ。
住民たちには耳栓が配られているが、「若干音は小さくなるんですけど、低音が耳に入る」「耳栓はいままで使ったことがないので、していないです」(近隣住民)
1カ月以上も噴出が続く水柱だが、東京理科大学の関陽児教授は「長万部は天然ガスが存在していることで知られている。井戸の中に泡が吹き上がって地下水が入る。その勢いが弱まらない」と語る。ガスが減ると勢いは弱まるというが、それが1カ月か1年なのか10年なのかは分からないという。
こうした中で先月末、町役場に「なんとかお手伝いをしたい」という一本の電話が入った。この会社は京都の工場用防音対策専門の業者で今月3日には現地視察も行った。
「当社の技術の防音パネルを無償で現地に提供したいと、そういう申し入れをしました。15dBから18dBまでは音を落とせます。-10dB音が落ちると、人の耳では半減したように聞こえる」(ブルアンドベア・橋本克美社長)
設置されるのは煙突型で、水柱を囲むように縦横1.5メートル、高さ10メートルの防音パネルを立てる。
防音効果について、スタジオでは防音パネルのミニチュアを使って実験を行ったが、70dBから80dBの轟音が、パネルをかぶせると40dB程度まで落ちる。
加藤浩次「ずいぶん違う。我々は半減しているように体感したんですが」
石田健(ニュース解説者)「今回これでよくなれば最高の結果だと思いますが、長期的に見ると水や天然ガスが出ているという問題がある。町の中だと財源が確保できるのか、中長期で対策ができるのか気になる」
杉山愛「どれだけのガスが地下にあるのかわからない。長いとなるとお金をかけて対策というのもあると思う。観光客も住民の方に迷惑にならないように、お金が落ちるような形がいい」
防音パネル設置の設置は今月26日から始まり、1週間ほどで完成するという。
(みっちゃん)