「弱い者は排除します。それが世のためです」
雄也が逮捕された後、公正取引委員会に清正が訪れ、勉を呼び出した。
「樋山の不正を暴いてくれたそうですね。ご苦労さま」などと悪びれずのたまう清正に、勉は「警察に樋山を逮捕させたのも、俺たちの聴取を妨害するためですよね」「警察にも顔が利くみたいですからね」と詰め寄る。
「私も樋山が談合をしているんじゃないかと疑っていたんですよ。さすが公取ですね」
「私はね、汚い人間が嫌いでね。私腹を肥やしていた樋山にはそろそろ捕まってもらいたいと思っていたんですよ」
清正が「ではこれでわかったでしょう。これ以上私を追っても無駄だってことが」と返すと、勉は「俺はあきらめませんよ。あなたが談合に関与した証拠を絶対に見つけ出します」と宣言。「弱くても戦いますよ」と告げると、清正は「弱い者に戦う資格はありません」と声を荒らげた。
「弱い者ほどでまかせを言い、強がりを並べ立てる。でもね、結局何もできないんです。いや何もできないどころか、むしろ害になる。君は知らないだろう。それがどんな悲劇を生むのか。弱い者は排除します。それが世のためです。邪魔です」
と吐き捨て、清正は勉の目の前から消えていったのだった。
これまで淡々と談合を進めているように見えた清正の心の内が、乱暴な言葉ながらうかがい知れたことで、ツイッターなどでは
「藤堂は藤堂で何かと戦ってる...?目指す信念がある?」
「奥さんの死、娘さんとの確執。藤堂にも過去の何かありそうだね」
「藤堂にも、今の藤堂になった『背景となるできごと』があったのだろう。そう感じさせる強いセリフだったように思う。次回、明かされるかな」
といった声が上がっていた。
(TT)