「昨年(2021年)の福岡県の教訓が生かされませんでした。静岡県牧之原市で3歳の女の子が亡くなりました」とけさ6日(2022年9月)の「THE TIME,」で司会の安住紳一郎が伝えた。
約5時間、車内に置き去りか
きのう午後2時すぎ、静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」の職員から「バスのなかで園児の意識がなく呼吸もしていない」と通報があった。救急隊が駆け付けた時は心肺停止状態で、搬送先の病院で死亡が確認された。
亡くなったのはこの園に通っている河本千奈ちゃん(3つ)。千奈ちゃんを乗せたバスは18人乗りだが、きのうの朝は園児6人が乗っていた。園に着いてバスは園児を下した後、屋外の駐車場に停められていた。運転は理事長が行い、別の職員も同乗していたが、到着した際に残された園児がいないか確認されたかどうか。警察が調べているが、バスから降ろされずに置き去りにされたとみている。
千奈ちゃんが乗ったバスは午前9時に園に到着、千奈ちゃんが発見されたのは午後2時10分ごろ。その間、約5時間もバスの中にいたとみられる。きのう、牧之原市は午前9時~午後2時までの間は常に気温28度を超え、最高気温は12時53分、30.5度だった。JAFの実験によれば、気温が35度の場合、車内の温度は4時間で50度程度まで上昇するというデータがある。警察は千奈ちゃんが熱中症で死亡した疑いがあるとみて「業務上過失致死」も視野に入れ調べている。
同様の事故は去年7月、福岡県中間市でもあり、送迎バスに男の子(5つ)が取り残され熱中症で死亡している。
司会の安住紳一郎「福岡ではその後、園児を送迎する際の『安全ルール』の指針を発表しています。1つ目は運転手以外の職員の添乗、2つ目は乗降車の際のチェックの徹底、さらに園内へ引き渡しの際に担当職員を配置することなどです」
そして「最近はコロナのこともあり、保育園、幼稚園などでも色々、作業が増えているという側面もあるかもしれません」と述べた。
(一ツ石)