パンサー尾形の「必死さ」に好感 罰ゲームと数学の関係

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   その意味の半分すら理解しているとは言い難いが、極上のミステリーを読み終えたようなカタルシスを覚えた本がある。サイモン・シン著の「フェルマーの最終定理」だ。微分積分で挫折した自分のような数学苦手人間でも、数式を解くために人生を捧げた歴代の数学者たちのストーリーは濃厚で、読みごたえがあった。

   8月24日(2022年)放送「笑わない数学」(NHK総合)はその「フェルマーの最終定理」を取り上げていた。番組は今年6月、「レギュラー番組への道」でパイロット版が放送され、7月13日からレギュラー放送が開始された。第1回「素数」から始まり、「無限」、「四色問題」、「P対NP問題」、「ポアンカレ予想」、「虚数」、そして今回の「フェルマーの最終定理」と続く。

  • 数式を解いたり…
    数式を解いたり…
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カンペをガン見しながらも...

   MCはパンサーの尾形貴弘。尾形がMCと知った時は、「あの尾形が数学の番組って大丈夫か!?」と訝しく思ったが、実際に番組をみると、カンペをガン見しながらも、視聴者になんとか伝えようと、数式を解いたり、慣れない用語に?みそうになりながらも、いつものように声を張って必死に番組を進行したりする姿にはむしろ好感がもてる。

   奇しくも、この日の「水曜日のダウンタウン」(TBS系)では、「事務所が痛みを伴う罰ゲームのために『特別な訓練』の練習を開催しても昨今の状況なら受け入れちゃう説」と題したドッキリ企画の『仕掛けられ役』として、ジャングルポケット・おたけ、ガンバレルーヤ・よしこらとともに、尾形も選ばれていた。

   「今後、バラエティ番組の罰ゲームを受けるためには免許が必要になり、取得のために講習会を受けなくてはならない」とマネージャーから言われて受講することになった3人。会場には『仕掛け人』の芸人たちも多数出席し、ビデオ教材を観たり、タライを落とす実践を受けたり、熱々おでんや、ワサビの辛さ、電気ビリビリの耐性をテストされたりしていた。

   「そんなアホな」といいたくなるようなドッキリだが、それでも尾形は一切妥協することなく、終始真面目に講習を受け、無事に免許(偽物だが)を取得。そんな彼の姿にスタジオのダウンタウンの2人も「こいつ、凄ぇな」と......。後日、ネタばらしされた尾形、怒りを露わに「なんなんすかこれ?真剣にやってんだよ、こっちは!」「俺、これでしか食っていけないんだもん」と訴えた。

   尾形の真摯さは、それが正しいかはわからないにも関わらず、一つの数式の答えを導くために全てを投げうった、あの数学者たちに通ずるものがあると感じた。

(くろうさぎ)

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