安倍晋三元首相の国葬に国民の批判が高まっていることを受け、岸田文雄首相は国会審議に出席して自ら説明すると、8月31日(2022年)の記者会見で表明しました。経費は2億5000万円とのことですが、警備費は含まれておらず、今週(8月29日~)の各局ワイドショーは、国葬の在り方や経費についての疑問を取り上げました。
(J-CAST)ワイドショー通信簿の「安倍氏国葬に『反対51%』(ANN調査) 玉川徹『そこは、岸田総理の政治的なセンス』」(8月29日、テレビ朝日系「モーニングショー」)は、ANNの世論調査では安倍元首相の国葬に反対が51%、賛成が34%。内閣支持率は9.9ポイント減の43.7%と、急落していることを伝えています。
今さらぶれるわけにはいかない?
テレビ朝日の担当記者の説明では、国葬について岸田首相は「やり切るしかないんだ。(略)今さらぶれるわけにはいかないんだ、と考えている」とあります。
「安倍氏国葬に『2.5億円で収まる訳ない』論(略)野党の主張」(同30日、TBS系「THE TIME,」)は、野党が29日に開いた政府担当者への合同ヒヤリングの様子を取り上げました。経費を小さく見せようとしているとの野党の追及に、警察庁担当者は「現段階において申し上げられる予算規模、経費の規模は申し上げらない」「どの程度になるのか、まだ判断つかない」などと、「答えられません」を繰り返していました。
立憲民主党の安住淳・国対委員長の「全部積み上げたら2億5000万円で収まるわけがないんだから」との発言を切り取った「国葬 2.5億円『収まるわけない』」は、同番組の「ニュース関心度ランキング」で3位に入ったそうです。
「玉川徹『ネット界隈では[ぼったくりバーじゃないか]と』 国葬『公表外警備費』36億円の番組試算」(9月1日、テレビ朝日系「モーニングショー」)は、番組が元警視庁警備課の江藤史朗氏に依頼した、警備費の試算を紹介。
江藤氏は1990年の「即位礼正殿の儀」で最高警備本部長を務めた経験から、地方からの応援を含めて「4万人の警察官が動員される」といいます。超過勤務日で13億円、地方からの出張手当が10億円、食事代は7億8000万円となり、このほか消防隊員らの経費も含めると、番組試算で総額36億3000万円にのぼりました。
玉川徹さん(テレビ朝日社員)は「お店に入る前に『2500円ですよ』と言っていたのが、会計の段階で『10万円です』と言われるのと同じ。ネット界隈では『ぼったくりバーじゃないか』という話が出ています。笑いましたね」と皮肉ったそうです。
岸田首相は「初心に帰って丁寧な説明に全力を尽くす」と31日の会見で述べました。経費についても、国会で詳しい説明があるのでしょうか。
(コムギ)