安倍晋三・元首相の国葬について、岸田文雄首相はきのう31日(2022年8月)、記者会見を行い、閉会中審査の形で国会で質疑に答える意向を明らかにした。国葬にかかる費用については「具体的な数字は外国要人の数等が確定してからでないと示すことができない」と述べたのだが、9月1日の「モーニングショー」が試算したところ、なんと警察官の警備費だけで36億円にのぼる可能性があることがわかった。
政府がこれまでに明らかにしている国葬の経費は、会場設営費や民間のガードマン代など計約2億5000万円。ここに警察官による会場内外の警備は含まれていない。松野博一官房長官は警備費等について「国葬後に精査して示す」としている。
地方からの応援など
番組は警視庁警備課にかつて所属し、1990年の即位礼正殿の儀では最高警備本部員を務めた江藤史朗氏に試算を依頼した。江藤氏は今回、安倍氏の事件を受けて警備がより厳重になり、地方からの応援を含めて「4万人の警察官が動員される」とみる。警視庁の場合は1週間前から警備のための特別な勤務態勢に入るため、「警視庁の2万人が8日間」「地方からの応援2万人が5日間」それぞれ勤務すると仮定すると、超過勤務費だけで13億円、地方からの出張手当が10億円、食事代は1食1000円で計7億8000万円となる。
地方から応援に来た警察官の「宿泊費」は、2億5000万円で、意外に少ないと思いきや、「警察官はすぐに出動できるよう、基本的には車両に泊まるそうです」とMCの羽鳥慎一。江藤氏によると、「機動隊員は全員、8日間でも10日間でもずっとバスの中です」ということで、試算では車両に泊まれない1万人分についてのみを金額に含めた。これには玉川徹(テレビ朝日社員)も「大変だなあ」と驚いていた。
このほか消防隊員らの経費等も含めると、番組の試算による警備費は総額36億3000万円にのぼった。
田﨑史郎(政治ジャーナリスト)「政府は国葬に対する反発が強いため、費用をできるだけ小さく見せようとしている。各役所では通常の費用で賄えるものはそちらに回そうとしているため、実際にかかった費用は見えづらくなってしまうかもしれない。だが、これぐらいかかると明確にした方が国民の納得を得られるのではないでしょうか」
玉川「これは、お店に入る前に『2500円ですよ』と言っていたのが、会計の段階で『10万円です』と言われるのと同じこと。ネット界隈では『ぼったくりバーじゃないか』という話が出ています。笑いましたね」
(キャンディ)