きのう(2022年8月30日)、厚生労働省が特例承認した新型コロナウイルス治療薬「エバシェルド」。31日の「めざまし8」は、この特例承認により今後のコロナ対策がどのように変わってくるのか伝えた。
アストラゼネカ社の治療薬「エバシェルド」は、新型コロナウイルスの治療だけでなく、予防にも効果が期待できる注射薬だ。国内外で医薬やワクチンの開発経験がある東中野セント・アンジェラクリニックの植地泰之院長はこの薬について「非常に強力に感染予防を行い、かつ重症化予防ができる」と説明。
専門家に質問
ただ、この治療薬を打つことができるのは、がん患者などワクチン接種を受けられない人に限られるという。
植地院長は「(ワクチンの)メカニズムが先天的、ないしは薬剤が原因、あるいは病気が原因でうまく機能しない人は人口のだいたい2%くらい。ワクチンが打てなかった人にとってはエバシェルドというのは唯一無二の武器になると思います」と話した。
スタジオでは、東邦大学の小林寅喆教授(感染制御学)が解説。
MCの谷原章介「重症化予防と発症予防と、2つの予防効果があるということですが、どういった方に役にたつのでしょうか?」
小林教授「重症化予防というのは感染した患者さんに使うということで、本来の薬剤とだいたい同じような効果です。感染予防という効果から考えますと、ワクチンを打っても抗体がなかなかできない人、もしくはワクチンが打てない人が感染リスクの状況に置かれた中で感染予防効果が維持できるということです」
谷原「重症化しやすい、もしくは1番リスクの高い人でありながら、ワクチンの網の目からこぼれ落ちた人を救うことができると」
ワクチンとの違いは?小林教授によると、ワクチンは抗原を注射で打って体内で抗体を作るが、エバシェルドは抗体そのものを投与するので抗体が直接作用するということだ。
谷原「心配なのは副作用です」
小林教授「今のところ、通常の薬剤と比べても、例えば過敏症が1%未満とか。そのくらいの数字で済んでいますので、それほどの副作用は起こっていない」
谷原「今まで治療の手立てがなかった人たちにとっては朗報ですね」
(ピノコ)