新型コロナウイルスに感染した無症状の患者について、政府が「外出を容認する」案を検討している。「マスク」着用や「短時間」を条件に、「食料品や生活必需品を買うための近くのコンビニなどに出かけるのを許容する」内容だ。「来月半ば以降」の導入案だが、それで大丈夫なの? 29日(2022年8月)の「モーニングショー」が検討した。
27日の朝日新聞によると、「自治体の物資や人員を高齢者、重症化リスクが高い患者に集中させる」のが政府の狙いで、「新たな政策パッケージのひとつとして検討する」もので、岸田首相は、「しっかり議論を行ったうえで結論を出していきたい」。
「制限が必要ないってことじゃない」
国際医療福祉大学の松本哲哉・主任教授は「無症状の患者も周りに感染させるリスクはある。リスクがある中でのルール変更に危機感を持っている。これを機に自粛の意識が緩みルールに従う人が減っていくのでは」。
コメンテーターの玉川徹(テレビ朝日)は「短時間の外出ならば、そんなにリスクが高まるわけじゃないんですけれど、むしろ『無症状者の買い出し容認』という言葉だけが歩き出す恐れがある。『なんだ、いいんだ』と。そっちの方が怖い。そういう勘違いは、これまでにもありましたよね。『行動制限のない夏、お盆休み』とか。リスクが下がったので、行動制限をする必要がなくなった、と解釈していた人がいっぱいいた。でもあれは、行動制限『要請』のないお盆、だった。要請がないだけで、リスク自体は変わっていない。重症者でも死者にしても、今までで最大の波になっている。医療従事者もたいへんで、制限が必要ないってことじゃない。そういう一人歩きが、怖い」
一方で、感染者の「全数把握の見直し」について岸田首相は、24日には「緊急避難措置として『自治体の判断で』高齢者や重症化リスクの高い人などに限定可能」としていたが、27日には一転、「全国一律のシステムに移行していきたい」とした。各自治体の判断は分かれており、宮城、茨城、福岡県などは「見直す」方針の一方で、東京都、神奈川、和歌山県では、「全数把握継続」の方針だ。
玉川徹は「続けるべきだと思う。小池(東京)都知事の言うことの方が合理性があると思う。むしろ、しろしろと言ってた知事が、各自治体でやってください、となったら、ええそんなこと?という感じになってやめちゃったでしょ。情けないですよね。全数把握をやめれば(医療現場の)負荷が減るかといえば、取材してみるとそれほど減らない。大事なのは医療機関の負荷をどれだけ減らすか。例えば、東京都は協力金を出して(感染者のデータ)入力とか別の人を雇うようなことを考えているし、軽症者を一手に引き受けるような、検査と簡単な治療をするところを、臨時に作ればいい」
(栄)