<1年前のワイドショー> 昨(2021)年春から始まった新型コロナのワクチン接種は、若者の接種率が伸び悩んでいました。そこで東京都は昨年8月末に、「予約なし」で受けられると銘打ち、若者向け接種センターを開設しましたが、大行列ができて接種できない人が続出。加えてモデルナ社製ワクチンに異物混入が発覚するなど、不手際や混乱が続きました。
「予約なしというのは無謀な話」指摘も
(J-CAST)ワイドショー通信簿の「『いかにワクチンを打てる状況にないか』 若者向けセンター『行列』で玉川徹が指摘」(2021年8月27日、テレビ朝日系「モーニングショー」)は、東京・渋谷で始まったワクチン接種センターの混乱した様子を伝えています。玉川徹さんは「並んでいるのは、ワクチンを打てなかった人たち。小池百合子都知事にはぜひこれを見てほしい。ワクチンを打てばいいのではない、打てないんですよ」と批判していました。
同じく、「渋谷接種会場に長蛇の列&抽選待ち『密』(略)設置タイミングに疑問の声」(同月30日、フジテレビ系「めざまし8」)も、混乱を伝えています。この様子を見て、河野太郎・ワクチン担当相(当時)は別の番組で「予約なしというのは無謀な話。あそこまで抽選券を取りに来てくださいという必要はない」と批判したそうです。会場を視察した小池知事は、記者たちの質問に答えることなく車に乗り込んだ、とあります。
異物混入もワクチンへの不信を招きました。「山本高広、『混入疑い』ワクチンと番号一致 『別の恐怖に...』」(同月27日、TBS系「あさチャン!」)は、さいたま市の接種会場で最初に異物に気づいた薬剤師の話を取り上げています。
毎回、目で確認していたところ、ビンの底に黒い破片のようなものが入っているのを見つけたとあります。異物混入はこのほか、東京や埼玉など8会場で未使用ワクチン39本が確認され、3つのロット番号の計163万回分が使用見合わせとなりました。
スペインの製薬会社の生産ラインに起因したようですが、専門家は「製造過程で紛れ込むような金属片は、猛毒になるような可能性は少ないし、細い針を通る程度の微々たる量が影響を与えることは非常に考えにくい」と話した、とあります。すでに接種された例もあり、お笑いタレントの山本高広さんも打っていて、恐怖感を訴えていました。
短い期間で国民にワクチン接種を行き渡らせるのは、容易ではないでしょう。失敗や不手際はつきものですが、それを学習し改善するのが政府や行政の役割です。
感染の波がくるたびに何度も繰り返されている混乱。先を読んだ対策を切に願います。
(コムギ)