遊川・大平コンビの連ドラ「家庭教師のトラコ」を見て

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   日テレ系で、水曜日午後10時からの連ドラ「家庭教師のトラコ」(7月20日から放送)を見ています。

   これは、脚本は遊川和彦のオリジナルで、プロデューサーは大平太(日本テレビ)です。遊川・大平コンビというと、このコラムでも以前にご紹介した「女王の教室」(2005年)や「家政婦のミタ」(2011年)でも有名です。「女王の教室」の天海祐希の「こんな教師がいる訳がない」、「家政婦のミタ」の松嶋菜々子の「こんな家政婦がいる訳がない」に続く橋本愛の「こんな家庭教師がいる訳がない」いうコンセプトの展開だと、私は理解しています。

   本作の主人公、根津寅子(橋本愛)は高卒でコスプレ好きで不愛想なんですが、志望校への合格率100%の実績を持つ、謎の家庭教師です。

  • 橋本愛さん(写真:2021 TIFF/アフロ)
    橋本愛さん(写真:2021 TIFF/アフロ)
  • 橋本愛さん(写真:2021 TIFF/アフロ)

「こんな家庭教師がいる訳ない!」を橋本愛が熱演

   「どんな志望校も受かる」「授業料はそちらが決める」というメールが受験生の親に届き、家庭教師を引き受けるには、3つの条件があると言います。(1)教育方針には口を出さない、(2)授業中は部屋を覗かない、(3)授業の日は御宅に泊めていただく、の3つです。

   寅子(橋本愛)には若い男の秘書、福田福多(中村蒼)がいて、彼は東大卒で3年ほど財務省に勤務していました。彼と寅子の間には謎の関係があります。

   寅子(橋本愛)が教えるのは「正しいお金の使い方」で、受け取った授業料をどう使うかということを軸にストーリーが展開されていくのです。最終的には、寅子が教える子供自身が、家族全員が幸せと感じることに、その授業料を使うことになります。このあたりに、なんとも言えない温かさを感じて、寅子の一見突飛にも思える言動とのアンバランスが生きて来るのです。

   エンディングに向けて、目が離せない作品です。

渡辺弘(わたなべ ひろし)
渡辺 弘(わたなべ ひろし)
1952年生まれ。東京大経済学部卒業。1976年に日本テレビに入社し、制作局CP、ドラマ制作部長として番組づくりの現場で活躍。編成局長、制作局長、取締役報道局長、常務・専務を歴任した。「マジカル頭脳パワー!!」「THE夜もヒッパレ」「「スーパーJOCKEY」「24時間テレビ」などヒット番組をプロデュースした。 現在は「情報経営イノベーション専門職大学」客員教授。映像会社「2501」顧問。
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