「親父の冤罪を絶対晴らしてやってください!」
悠はもう1カ所、信二の遺体が発見された現場に晃を連れて行った。ここで初めて信二に新たな殺人容疑がかけられていることを晃に明かし、京子の殺害現場と距離が離れていることから「何者かに自殺に見せかけられて殺害された」という可能性を提示する。
悠は晃が部屋を見て驚いていた様子から、本当は離婚の後も晃が信二と会っていたことに気付く。悠は信二が世間ではなく晃に対して格好つけたかったということと、新品の布団は「いつかあなたが泊まりに来た時のために用意されたものだった」という推察を披露した。
晃は
「あいつに会ってたこと黙ってたのは、母への裏切りになると思ってたからです」
「何か...何の根拠もないけど、でも、どっかで...どっかで絶対にもう1回、家族3人で暮らす日が来るって、勝手にそう思ってたんです。だから、そのために繋いでおかないとって」
と絞り出すように打ち明けた上で、
「あいつの遺体...親父の遺体、まだ処分されてないですか?もし間に合ったら、葬式してやりたいんです。僕がやんなかったら、親父、誰にも弔ってもらえないし」
と悠に頼んだ。そして「親父...親父は、絶対にやってないです」と、遺書が見つかっていないことについて「何も残さないはずがありません」と訴え、「親父の冤罪を絶対晴らしてやってください!」と涙ながらに頭を下げた。