15歳少女の「犯行直前」映像 渋谷刺傷事件で若狭勝弁護士が注目した点

   24日(2022年8月)の「めざまし8」は、15歳の少女が渋谷の路上で親子を刺した事件の新情報を伝えた。

   番組はまず、現場付近の防犯カメラから得た新たな映像を放送。映像には、少女が被害者親子を付け始める瞬間が映っていた。画面奥へと向かう親子とすれ違う形で画面手前に向かってきた少女は、振り返って2人をじっとみつめるように3秒ほど立ち止まる。そして2人の後を追いかけるようにきびすを返した。

   若狭勝弁護士はこの映像について「今後の捜査において非常に重要なものになるのでは」と話す。その理由はこうだ。

  • 番組サイトより
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「予行演習供述」との関係

「この少女は自分の母親と弟を殺す予行練習的に今回の渋谷での事件を起こしたと言っているわけですが、もしこのビデオから予行練習だということがうかがえるとしたら、母親と弟に対する殺人予備罪が成立する可能性が出てくるのです。刃物も用意して実際に2人の人物を襲ってできるかどうかを具体的に実験したとなると、殺人予備罪の可能性が出てきて、家庭裁判所における判断も非常に重くなる」

   犯罪心理に詳しい新潟青陵大学大学院の碓井真史教授はこの少女の動きについて「犯罪にはなれていないのだろうという感じはしますが、すれ違って振り向くというところで、ターゲットを定めた瞬間だったのかなと思います」。また、明星大学心理学部の藤井靖准教授は「2人を見定めつつ、本当に自分に出来るか迷っているようにも見える。人を殺傷するなら前からすれ違う時でも攻撃することはできたはず」と話した。

   番組はさらに、「新たに分かった母子の関係」として少女の母親の供述内容も伝えた。母親は警察に対して「娘は不登校で、弟はまじめに学校に通っていて、そこで弟の方をひいきしていると思ったかもしれない」「最近は来年の受験に向けて勉強をしっかりやるように問い詰めたり、学校に行けていないことを少し責めたりしていた」「厳しく言った時も言い返すことはなく、淡々と返事をしていました」「私に対する不満を言えずにいつの間にかため込んでいたのかも知れません」などと話しているという。

   小玉祐一(明治安田総合研究所フェロー チーフエコノミスト)「悩みは1つではなかったということですよね。自分の内側にため込むタイプでそれが積もり積もって爆発したと。ただ、悩みは誰にでもあるものなので、そこから刃物を持って人を襲うという飛躍は想像を絶する。だからこれは社会の問題というよりあくまで個別の問題と受け止めたいが、特に子どもを持つ親はその兆候をみつけるとか悩み相談に乗るとか、そういう機会に生かしていけばいいのではないかと思います」

   MCの永島優美アナは「周りに悩みを打ち明けられない子どもたちは多いと思いますが、一線を超えないためにはどうしたら良いのでしょうか」と質問。

   碓井教授は「問題を小出しにできることが大事。小出しにできるようにすること。ただ、『話しなさい』ではなく、話しやすい環境づくりが大事です」と話していた。

(ピノコ)

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