<1年前のワイドショー> 東京五輪・パラリンピック大会を巡る汚職事件で、今週17日(2022年8月)、組織委の元理事が逮捕されました。そのパラリンピックは、1年前(21年)の8月24日に始まりました。当時は運営側の汚職は知る由もなく、ワイドショーは困難な状況を乗り超えてきたパラアスリートたちの話題を報じていました。
(J-CAST)ワイドショー通信簿の「アフガン初の女性パラ代表選手、民間機飛ばず出場は絶望的 夏目三久『胸が痛む』」(21年8月20日、TBS系「あさチャン!」)は、イスラム主義組織タリバンが実権を掌握し、混乱が続くアフガニスタンの選手の話題を取り上げました。
大事故から16年の選手も
すべての民間機が運航を停止したため、アフガニスタン史上初の女性パラリンピック代表となったテコンドーのザキア・クダダディ選手の出場が絶望的になっていると伝えていました。
クダダディ選手は「誰か私の手を取って助けてください。アフガニスタンの女性の権利が奪われるのを止めてください」と、自らを撮影した動画を公表したとあります。
TBSの中東特派員によると、タリバン政権では女性がスポーツをするということだけでも大きな壁があり、さらに障害者には根深い差別もあるといい、迫害されるリスクがあるのにもかかわらずビデオメッセージを投稿した、とあります。
同じ「あさチャン!」の「JR福知山線脱線事故から再起 パラアーチェリー岡崎愛子選手、努力の16年」(同23日)で紹介した岡崎選手は、2005年のJR福知山線(宝塚線)の列車脱線事故で、被害に遭った一人でした。列車が猛スピードで脱線し沿線のマンションに突っ込んだ事故は、乗客と運転士107人が死亡、562人が負傷した、歴史に残る大惨事でした。
当時19歳の大学生だった岡崎選手は、原形をとどめないほど大破した1両目に乗り合わせていて、奇跡的に一命をとりとめました。首の骨が折れて首から下にマヒが残る車いす生活になりましたが、13年にオリパラの東京開催が決まった後、「何かできるスポーツを」と、母親が大学時代にやっていたアーチェリーを始めたそうです。
番組に出演した国際パラリンピック委員会(IPC)特別親善大使の香取慎吾さんは「パラスポーツと出会うきっかけも、まだまだ日本には少ない。新しいきっかけをつかむための場所が、この東京大会で(略)広がっていくと思う」と語ったとあります。
選手たちの努力を知ると、私たちも勇気が沸きます。アフガン選手はその後、各国の協力で母国から退避し、陸上男子選手とともに来日して、競技に出場できました。
アスリートたちの努力が、今回の汚職事件によって汚されないように願います。
(コムギ)