自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(55)といえば、過去にLGBT(性的マイノリティ)について「生産性がない」などと雑誌に寄稿し、これがもとで雑誌が休刊になるほどの騒ぎとなった当事者なのだが、今回の内閣改造で総務大臣政務官に起用された。旧統一教会との関連も指摘されており、きょう19日(2022年8月)の「モーニングショー」が発言の整合性などについて取り上げた。
杉田氏は日本維新の会から比例区で衆院選に立候補して初当選。その後自民党にくら替えし、比例区で当選して現在3期目だ。数々の問題発言で知られており、2018年、雑誌『新潮45』に「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるのでしょうか。彼らは子どもをつくらない、つまり生産性がないのです」などと寄稿して非難が殺到。海外メディアも問題視するなか、雑誌は休刊に追い込まれた。
政治アナリスト「杉田さんは安倍さんのお気に入り」
このほか、2014年には国会で「男女平等は絶対に実現しえない反道徳の妄想」「女性差別というのは存在しない」と発言。さらに、2020年の自民党内の「性暴力被害関連の会議」では「女性はいくらでもうそをつける」などと発言し、ネットで議員辞職を求める署名が13万6000筆以上集まった。
杉田氏と旧統一教会をめぐっては、2016年に米ニューヨークの旧統一教会の関連施設で講演していたことなどが指摘されているが、政務官就任時の記者会見では「会場がどのような施設なのか当時は知らず、どのような経緯で使用されたか把握していない」などと回答。「関係団体を含め、旧統一教会からの支援を受けたことは一切ない」と言う一方で、「その団体が関係団体であると誰が定義するのか? 関係団体の定義がわからないのでこれ以上何も言えない」などと発言していた。
また、過去の差別発言に関しては「過去に多様性を否定したこともなく、性的マイノリティ―の方々を差別したこともない」と驚きの説明をしていた。
MCの羽鳥慎一にコメントを求められた伊藤惇夫(政治アナリスト)は、苦笑交じりに「この人の発言はどう信用すればいいんでしょうかね」。岸田文雄首相が杉田氏を起用した背景について「こういう問題発言を繰り返してきた方を任命することで批判を受けることはわかっていたはずですが、杉田さんは安倍さんのお気に入りだったから。安倍派への忖度が人事につながった可能性はある。岸田首相は1強体制確立で何をやっても政権は揺るがないと思っているのではないか」と説明した。
徐東輝(弁護士)「明らかに日本語として支離滅裂なことを言っている。こういう人が法令解釈をしながら行政をしっかり執行していけるのか。性的マイノリティや男女平等について偏った立場をとっている人が、総務行政を中立的に実施していけるのか。岸田政権の驕りが感じられます」
玉川徹(テレビ朝日社員)「もし差別している認識はあるのに『過去に差別したことはない』と言っているなら、ウソつきですよね。一方で、本当にそう思っているなら余計質が悪い。政治家は言葉が何より大事なのに、言葉をこういう扱い方をする人はふさわしいのでしょうか」
(キャンディ)