北九州市で13日(2022年8月)、母(37)と娘(15)が自宅で刺されて重傷を負う事件が発生した。事件直後、近くの踏切で列車にはねられ死亡した容疑者とみられる少年(17)は、位置情報共有アプリを通じて被害者の自宅を突き止めた可能性が指摘されている。きょう17日の「モーニングショー」が取り上げた。
警察の調べによると、少年が住んでいたのは東京・葛飾区で、刺された娘とはSNSで知り合ったものの、これまで一度も会ったことはなかったという。事件後に娘が助けを求めて逃げ込んだ家の男性は取材に対し、「嫌だったので連絡を絶ったら東京から(家に)来た、位置情報を特定できるスマホアプリを使って自宅を知られたかもしれない、と(娘は)言っていた」と話していた。
「急に説教臭くなるのはやめてくださいよ」
家族や友人同士で、現在いる場所や滞在時間などを確認できる「位置情報共有アプリ」とはどういうものなのか。番組が街でアプリを利用している若者に取材すると、「『今何してる?』という会話のラリーが少なくなるので、効率的に動ける」「(友だちが)近くにいないかな、って。いたらたまに会ったりしている」などと話していた。一方で、「友だちに誘われたから、消したいと思うけど断れない」という声もあった。
ITジャーナリストの三上洋氏は「位置情報を共有するということは、自分の生活がリアルタイムで筒抜けになること。本当に信頼できる相手としか共有しない、自宅が分からない設定にする、などが必要」と指摘している。
このアプリを試したことがあるというコメンテーターの安部敏樹(「リディラバ」代表)は「自分のプライバシーが晒されてしまうという怖さはあった」と話す一方で、「便利は便利。これがあると待ち合わせという概念もなくなる。今あいてるからお互い会おうぜ、となる」ともコメントした。
これに対し、玉川徹(テレビ朝日社員)は「論外ですね」とバッサリ。「SNSが発展して、つながることが絆みたいに言われているが、むしろこういうアプリは束縛だと思う。これがあっても何も便利なんかじゃありません」
MCの羽鳥慎一「おじさんからすると驚きますが、『あ、近くにいるんだ。会おう』という感覚を今の若者は持っているんですね」
ここから議論はややヒートアップし、「コスパ、コスパと言うけど、無駄なところに色んな価値があることは若いうちにはわからない。無駄なところに気づきがあるのが人生」と玉川が言うと、安部が「コスパというより、相手を誘うことが失礼になることもあるので、誘っていい状態かを知りたい。むしろ気遣いだと思います」と反論。
これに玉川が「その節約した時間に何やってんの?そんなに素晴らしい意味のあることをやってるんですか」と畳みかけ、「急に説教臭くなるのはやめてくださいよ」と安部が苦笑する場面もあった。
羽鳥は「そうね。まだ8時14分だから、まだ早い。(番組は)あと1時間45分ありますから」と笑いを誘って場をとりなしていた。
(キャンディ)