北海道東部の別海町の牧場で、おととい15日(2022年8月)、カラス駆除のため発射した空気銃の弾が近くにいた男性に当たり、銃を撃った男が逮捕される事件があった。17日の「めざまし8」が事件の背景を探った。
重過失傷害の疑いで逮捕されたのは、牧場を経営する容疑者(38)で、撃たれたのは牧場の21歳の男性従業員。堀池亮介アナが「被害にあった男性は現在も昏睡状態が続いているということですが、逮捕された男は狩猟に必要な猟銃の許可を持っていなかったことが明らかになっています」と伝える。
最大飛距離は200~300メートル
番組は事件が起きた別海町の「ファーム藤倉」の周辺の映像を流す。カアカアと何匹もカラスが飛び回る。同町の別の牧場主は「カラスは生きている牛も襲ったりするんです」と嘆く。牛の分娩時期に襲われる被害があちこちの農家ででていて、生まれたばかりの赤ちゃん牛は柔らかいので、カラスに尻尾などを食べられることもあると話す。
牛舎の出入り口にネットを張るなどの対策をとるが、それでも被害がある場合は空気銃や猟銃などで駆除するほかはない。
ただ、空気銃は圧縮空気の圧力で弾を飛ばし、最大飛距離は200~300メートル。中型動物を殺傷する能力があるため、所持するには狩猟免許や所持許可証が必要だが、今回使われた空気銃は撃たれた男性従業員が所有していて、容疑者は必要な許可を持っていなかったという。
警察によると、15日午前8時すぎ、容疑者が牧場で倉庫の上にいたカラスを駆除するために空気銃を1発発射したところ、手前を横切った従業員男性の頭の右側に6ミリの鉛の弾が命中したという。男性はドクターヘリで搬送され、手術を受けたものの昏睡状態が続いているという。
容疑者は「確認せずに撃ってしまった」と供述しているというが、銃器ジャーナリスト津田哲也氏は誤射について、「通常はあり得ない」と疑問を投げかける。「暗闇だと別ですけど、明るいところで打ち間違えるのはちょっとあり得ない。しかも、銃の所持者が撃たれた人。所有者だったら銃口の前に立ったらダメなのは分かっているはず。ちょっとこれは考えられないですね」。
若狭勝弁護士「空気銃は、相当前は許可制でなかったので、普通の鉄砲(猟銃)などとはちょっと意識が違うというのがあるのかもしれない」
教育評論家の尾木直樹氏「誤射だとは思いますが、2~3メートルという至近距離では間違えようがないわけで、どうしたんだろう。よほどカラス憎しという感情が高まっていて引き金を引いてしまったのか。丁寧に捜査をしないといけないと思います」
(コムギ)