NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」8月14日(2022年)放送回。源頼家(金子大地)の後継者をめぐり激しさを増す北条と比企の争い。比企能員(佐藤二朗)は、娘せつ(山谷花純)が生んだ頼家の長男・一幡を推し、早々に朝廷の許しを得ようと躍起になるが、大江広元(栗原英雄)らは取り合わない。一方、北条家として義時(小栗旬)は比奈(堀田真由)に頼んで比企の動向を探っていた。(ネタバレあり)
そしてついに話し合いでは埒が明かず、北条による比企討伐となる。しかし義時のたたずまいといい、言動といい、目つきといい、小四郎の頃のそれとは全然違ってきた。鋭くダークにすっかりイメチェンである。その昔の小四郎の影を見せるのは、息子の泰時(坂口健太郎)だ。
善児とトウが「その場」にいた意味
一幡の命をとるよう泰時に命ずる義時は、「頼朝さまだったらそうしていた」と言っていたが、頼朝の残酷さそのままに受け継いでいるのは義時なのだとはっきりわかった。泰時が父親・義時のことをあまりに残酷でわからないと言い捨てた態度に、若かりし自分のように血の通った姿であると義時自身が感じたであろうに。血縁や家を守ることを頼朝から学んだ義時、北条家を守るための覚悟がハッキリと決まったのだ。「義時が頼朝を継いで完全に非情サイドに移った」「順調に義時がリトル頼朝になりつつある」などのネット反応もあった。
そして比企一家をとらえる北条。泰時が一幡を抱くせつと対面。そこへ善児(梶原善)とトウ(山本千尋)が登場。義時は命令はしたものの、泰時のことをまだ甘いとみていて、一幡さまの命を奪うことはできないと疑っていたのだろう。SNSでも「泰時のお供に善児とトウをつけるの、義時の本気度が伺える」「義時は泰時がせつと一幡様を斬れないと分かっていて、善児を付けたのかな」などとする見方が寄せられていた。
しかし、トウの鮮やかな小刀さばきでせつは倒れたが、一幡には及ばなかった。結局一幡はどうしたのだろうか。「行方知れずに(ということに)」とのことだが、善児登場ならば...という暗黙の了解で、討たれたということなのだろうか。番組最後段で頼家が息を吹き返し、そこから始まる次回、ドラマは意外な展開を孕んでいるようだが。
(Y・U)