橋本愛さん扮する謎の家庭教師・根津寅子(通称トラコ)が、問題を抱える3つの家庭で授業を行う「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系)の第4話が、8月11日(2022年)に放送されました。1~3話はそれぞれ私立小学校、私立中学校、一流大学を目指す子どもが主役でしたが、今回からはターゲットが母親に移行。「1万円を拾った人と、1万円をあげた人、どちらが幸せですか?」というタイトルで、相手に歩み寄ること、強がらずに頼ることの大切さを伝える内容でした。(以下ネタバレを含みます)
新聞記者として働く中村真希(美村里江さん)は、仕事も家事も完璧にこなす強い女性。優しいけれど頼りない夫の朔太郎(細田善彦さん)と、私立小学校をめざす一人娘の知恵(加藤柚凪さん)の家族3人で幸せに暮らしていましたが、持ち前の正義感を貫き通して仕事を辞めてしまったことから、ピンチに追い込まれます。
嫌いな言葉が「ひとつ増えた」
「家族に心配かけたくないから」と失業したことを言い出せず、「振り込め詐欺に騙されてしまった母親のために、100万円工面して欲しい」との夫の頼みを断ってしまった真希に、トラコが投げかけたのが冒頭の「1万円あげるのと、1万円拾うの、どっちが幸せだと思いますか?」との問いでした。真希は「拾ったほうじゃないですか?」と即答しますが、トラコは納得せず、よく考えるように伝えます。
再就職先が決まらず焦る真希に、トラコは「自分が家事をやるから、仕事探しに専念しては」と提案。真希はこれをありがたく受け入れますが、家事をてきぱきとこなし、娘や夫とも仲良く遊ぶトラコの「完璧な主婦」ぶりにかえってイライラが爆発。夫には「のんきに遊んでないで、もっと出世したらどうなの!」、娘には「ママのお仕事見つからなかったら、私立行けないんだからね!」、「2人とも、私の言う通りにやればいいの!」と、ヒステリックに怒鳴り散らしてしまいました。
トラコはさらに、「自分は、振り込め詐欺になんて自絶対引っ掛からない」と豪語していた真希を騙す作戦を決行。あっさり引っかかってやってきたのに「私はいつも通り冷静だから大丈夫」と非を認めない真希に、トラコはいつもの決め台詞を言い放ちます。
「私には嫌い言葉がある。これまでは3つだったけど、今ひとつ増えた。4つ目は『心配ない』だ。心配かけないのが正しいとか、かっこいいとか思ってるのかもしれないけど、その時点で『私ほんとは心配なんです』オーラ、ガンガン出しちゃってるから。事実、家族はあんたのことめちゃくちゃ心配してるんだし。つまんない意地張ってないで、『助けてください』って言えよ。この世界には、甘えられる家族なんかいない奴が腐るほどいるのに。中途半端に強がってんじゃねえよ!」
呆然とする真希に手渡されたのは、トラコがこっそり録音していたICレコーダ。真希を心から心配し、今は2人で力を合わせて助けてあげよう、と話し合う夫と娘の会話を聞くうちに、真希の表情から刺々しさは消え、柔らかくほぐれていったのでした。
真希は夫と娘に、自分だけが正しくて頑張ってると思い込み、ひどいことを言ったと謝罪。自分の欠点も含めて全部愛してくれる家族の大切さに気づき「これからますます迷惑かけると思うけど、今まで通り助けてください」と頭を下げます。
家族に自分の弱みをさらけ出して助けを求め、さらに義理の母にお金を貸す決断をした真希は、トラコの問いに対する答えに辿り着きます。
「1万円をあげた人、ですよね。拾っても幸せなのは一瞬だし、そもそも落とした人は幸せじゃないけど、あげたらこっちも向こうも、両方幸せになれるから。それに、どんなに生活が苦しくても、心まで貧しくなっちゃいけないなって。心が豊かじゃないと、本当の自分を見失ってしまうから」
組終了後のツイッターでは「どちらが幸せかって言うよりも、1万円あげる余裕があるってことがすでに幸せ」「それが成り立つのは、あげた相手がその後もくれた人のことを尊重できて、かわらず良好な関係を築ける場合だよね」など、さまざまな意見が飛び交っていました。
ちなみに、番組の公式ツイッターで行われたアンケートでは、幸せなのは「1万円拾う」「1万円あげる」が半数ずつ。真っ二つに分かれる興味深い結果となっていました。
(Hibunny)