青々とした稲が植えられた田んぼのドローン映像。稲の間に黒くうごめく動物が映っている。野生のイノシシだ。7月10日(2022年)、岐阜県の農家が撮影した映像だ。ドローンが鼻先まで接近すると、イノシシはキバをむき出しにして突進してきた。8月12日の「めざまし8」が詳報した。
実はこうしたイノシシ出没情報は日本全国の観光地や住宅街であり、農作物を荒らす被害が相次いでいる。この40年間で、イノシシの生息地は1.9倍に拡大しているという。今年1月には神奈川・小田原市の住宅街を群れになって歩き道路をふさぐイノシシの姿が撮影された。
永島優美アナが学校で習った対処法
ドローンでイノシシを撮影した岐阜県の農家では「被害は食害だけではない。イノシシは臭いがすごくきついので、田んぼを荒らされると臭いが稲についてしまい、収穫できないほどになってしまう」と話す。
動物研究家のパンク町田氏は「イノシシのキバは、ライオンでもかみ切れない金属でもかみ切ってしまう。それほど切断能力が高い」と言う。
キャンプやマリンスポーツが人気の広島・尾道市の百島(ももしま)では、島内の住居の至る所に金網やバリケードが設置されている。中には一面から釘先が突き出ているボードを張り巡らせてイノシシ対策をしている家もある。被害に遭った人は「米を食べられて参った。5キロの袋を2つくらい。冷蔵庫もやられてボロボロになった。中のビールの缶開けて飲んでいた」と話していた。
なぜ観光地や住宅街にイノシシが出てきたのか。パンク町田氏は「天敵のニホンオオカミが絶滅して、イノシシには天敵がいない状態。どんどん群れの規模が大きくなり、山の中に住処がなくなって町に出てきた」とその理由を説明した。
司会の谷原章介が「箱根の温泉地で遭遇した。夜散歩していたら、ゴミ箱を漁っていた」と目撃体験を話すと、永島優美アナも「地元は兵庫県神戸市なんですが、何度も遭遇しました。ゴミ出しの日を覚えているのじゃないかと思うくらいゴミの日に出てくるし、買い物袋を持って歩いていると突進してくる。動くものに反応するので、背を向けずに後ずさりするように学校で習いました」と告白。谷原は「学校で習ってるんだ」と驚いていた。
お笑い芸人のカズレーザーは「田んぼの稲に臭いがついて収穫できなくなるとは初めて知りました」と驚いた顔でコメント。
谷原は「影響が心配です」とつぶやくように話した。
(バルバス)