「静岡県の伊豆半島沖に生息しているサンゴが白化する現象が起きていて、深刻な問題になっています。海の中で何が起きているのでしょうか」と西岡孝洋アナ。9日(2022年8月)の「めざまし8」は、猛暑やゲリラ豪雨がもたらす海への影響を伝えた。
8日、番組のカメラは駿河湾に面する静岡県の西伊豆町に。数年前からサンゴが多く見られるようになり、ダイバーたちにも人気のスポットだというが、そのサンゴに異変が。
「ダイバーの人に聞いたところ...」
地元のダイビングセンターの吉田さゆりさんは「7月20日の時点では、まだ緑色のサンゴだったのですが、7月末から急に白化してきました」。町役場の担当者も「去年まではこういうことはなかった。きれいな海が売りなので、困ったことになっています」と戸惑う。
国立環境研究所・気候変動適応センターの研究員、熊谷直喜さんはサンゴの白化の原因について「水温の影響が大きい」と話す。しかし、番組スタッフが測ったところ、サンゴ生息の適温である25~28度の間だった。ではなぜ?
熊谷さんは「西伊豆の方は、それほど温度が上がっていないけれど白化しているというのは聞いている。梅雨明け以降もかなり大雨が降りましたが、その淡水が流入した影響も大きいのではないか」と指摘。大雨で淡水や土砂が流れ込むことで、サンゴにストレスがかかり、白化が起きたのではというのだ。
谷原は「ダイバーの人に聞いたところ、西伊豆は20年前くらいまではハードコーラル、南のサンゴじゃなかったと。それがだんだんと環境が変わることによってこういったサンゴが増えていき、さらに白化した。環境の変化がすごく大きいんですね」とコメント。
気象予報士の天達武史は「世界全体の海面水温は100年間で0.5度、日本の近海で見るとその倍の1度上がっちゃっている。大したことないかなと思うかもしれませんが、海水温の1度は気温で言うと5~10度くらいの大きな変化なので、海の中の生態系も変わってきます。サンゴが生息できなくなれば、ドミノ倒しのように魚もいなくなり、私たちの食にも影響してくるでしょう」と指摘した。
番組によると、サンゴの白化は沖縄・石垣でも起きている。熊谷さんは「2017年はかなりひどい白化が起きて、サンゴがかなり死んでしまった。そこから数年かけて復活してきた過程だったのですが...。温室効果ガスの排出が根本的な原因。それを抑えるのが1番大事なことです」と話していた。
(ピノコ)