佐藤二朗の「邪悪でおっかない」怪演 「鎌倉殿の13人」比企能員が怖かった

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   NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」8月7日(2022年)放送回。源頼家(金子大地)に呪詛を行った疑いにより詮議を受ける全成(新納慎也)。比企能員(佐藤二朗)はその背後に北条家の暗躍があると確信し、対決姿勢をさらに強める。(ネタバレあり)

   そのころ北条家では、夫・全成が巻き込まれて激怒した実衣(宮澤エマ)が父・時政(坂東彌十郎)を追及。義時(小栗旬)は北条家を守るために策を練る。

  • 佐藤二朗さん(2016年撮影)
    佐藤二朗さん(2016年撮影)
  • 佐藤二朗さん(2016年撮影)

全成ロスの反応も

   そのころ、御家人の信用を試すため、頼家は比企能員(佐藤二朗)に所領の一部没収を申し渡す。能員は怒りに任せて、全成に頼家への呪詛を再開するように言いに行く。頼家から関与を疑われ、実衣に危険が迫っているとたきつけて...。比企役の佐藤二朗さん、常軌を逸する様な雰囲気は上手い。コミカルなイメージが強いために、ついつい笑いを準備して佐藤さんの演技を見入ってしまうが、まさかこれほど邪悪でおっかない演技が見られるとは思わなかった。

   全成は比企から聞いた話が本当か嘘か解らず、2度目の呪詛をはじめてしまう。実衣のことを心から想っていた全成である。

   うだつが上がらないが、現代風味の「笑い」を提供してきた全成。「占いは半分しか当たらない」と遠慮がちで、九字を切っても風は起こせない。今でいうと、スマートに目立たないけど、お笑い担当の憎まれないお坊ちゃまで、学校にひとりいるようなタイプだろうか。ファンも多かったと思う。

   ところが、最後の場面では、猛烈な嵐を巻き起こし、土砂降りの雨のなか倒れた。はじめて彼の呪詛が宇宙に届き、鎌倉にいる頼家に届いたのだ。「実衣ー!」と叫んだ全身を込めた悲痛な声にはついつい泣かされてしまった。「新納さんの全成 登場すると嬉しくなるし 癒しでした」「全成殿の最期凄かったなぁ」「誰も恨んではいけないよ。その優しさが全成の呪詛の効力を抑えていたんだな」など全成ロスの声がSNSに相次いでいた。

   義時も奔走しているが、「鎌倉を守る」ために、あまりに悲劇が多い。比企vs義時もまだまだ続きそうだ。

(Y・U)

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