中国の台湾周辺演習 加藤浩次「緊張状態はどのくらい続くのか」

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   4日(2022年8月)から7日まで、台湾を取り囲むように設けられた6カ所の演習区域で連日続けられた中国の軍事演習。緊張が高まる中で台湾市民は事態をどう考えているのか。8日の「スッキリ」では市民を取材するとともに、今後日本のとるべき方策について専門家に話を聞いた。

   軍事演習のきっかけは、8月2日のナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問。対中強硬派として知られるペロシ議長は、蔡英文台湾総統と会談するとともに、台湾の民主主義を支援する揺るがない決意を表明した。

  • 中国の動向に注目が集まっている
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識者の回答は...

   中国はこれに猛反発。王毅外相は「台湾問題で挑発してトラブルを起こすのは全くの徒労。必ず頭が割られて血が流れる」と発言した。

   もっとも、ペロシ氏に対する報復は口実にすぎないと指摘する専門家も。神田外語大学の興梠一郎教授は「対抗策にみえるが、実際の演習は実戦を想定した布陣。ペロシ氏の訪台を利用して本来やれなかった措置をやった」と語る。

   台湾市民は今回の軍事演習をどうみているのか。

   「前は戦闘機が台湾上空を通過するニュースをよく見たけど、今回のミサイルはさすがにやばいと思った」と語るのは、アニメ製作会社で日本語通訳として働く鍾雨如さん。日本語を勉強する高校生、鍾博丞さんは「昔より規模が大きくなってきた。ちょっと怖い。正直言って不安」と語る。

   もっとも、街の様子は「周りの知り合いもみんな『また来ました』という感じで、雰囲気はほぼ変わっていない」(鍾雨如さん)というように、大きな変化はみられないという。

   台湾統一をめざす中国だが、台湾で自らのアイデンティティーを調査すると、結果は「自分は台湾人」と考える人が63.7%と半数を超え、台湾人と中国人の両方という回答が30.4%。自らを中国人と考える人はわずか2.4%だった。

   鍾雨如さんは「私は台湾人として生まれてきたから台湾人のままで死ぬまでいたい。中国の一部になりたくない」と語る。鍾博丞さんも「中国の人権や政府の体制について、不信感を抱いている台湾人が大多数を占めている」と、思いを語る。

   今回の演習は、中国軍のミサイル5発が初めて日本の排他的経済水域内に落下。日本にとっても他人事ではない状況になっている。昨日、民間のシンクタンクの主催で「第2回台湾有事シミュレーション」が行われたが、防衛大臣経験者など現職国会議員や自衛隊の元幹部らが参加、有事のさいに日本政府がとるべき対応を検討した。

   司会の加藤浩次「(演習区域の)形を見て、お気づきになることありますか」

   興梠教授「アメリカを意識している。外からの介入を防いで台湾を封鎖。天然ガスなどライフラインを遮断し、台湾の孤立化をすすめる」

   石田健(ニュース解説者)「台湾は日本との往来があり、距離感はウクライナとは別次元。現実に迫った時に邦人退避ができるのか。物流にも影響がある」

   興梠教授「ウクライナは陸で逃げられるが、台湾は無理。現状ではアメリカは武器支援しかできない。軍事介入ができるようにすべきという声がでている。今回中国は『軍事演習行動』と『行動』をつけているが、これはいつでも『演習』を抜いて『軍事行動』に転換できるということ。日本もアメリカと歩調を合わせて、いざとなったら介入できる抑止力をもっていないといけない」

   加藤浩次「緊張状態はどのくらい続くのか」

   興梠教授「中国はこの状態を常態化させたい」

(みっちゃん)

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