市会議員が詐欺を働いたというより、詐欺師が市会議員になったということだろう。新型コロナの公的支援制度を悪用して、融資を受けた介護施設から約6000万円をだまし取ったとして、大阪・寝屋川市の市議会議員・吉羽美華容疑者(42)が詐欺容疑で逮捕された。けさ3日(2022年8月)の「スッキリ」は、人をだます驚くような口八丁手八丁ぶりを伝えた。
宮崎哲弥「現役の市会議員がこんなことするなんて」
吉羽が市議に初当選したのは2007年で、26歳の最年少だった。このときの映像があった。「できれば、吉羽美華みたいな政治家になりたいと思われるような存在になりたい。政治とおカネの問題ってずっとなくならないじゃないですか。それに、私だから一石を投じられるかなという感じはします」
もうペラペラと恥ずかしげもなく自画自賛し、ついには「(タレントの)波瑠さん? と言われます」と美人気取りで、写真集を出した。
詐欺には市会議員の肩書をとことん悪用した。融資元の関係先を装って介護福祉施設に公的融資を受けさせ、(自分に)半額払えば返済は免除されるとウソをついて、業務委託料名目で5940万円をだまし取った。その際に市会議員の名刺を出したという。同様の手口で十数の施設に融資話を持ち込み、十数億円を詐取したと見られている。
宮崎哲弥(評論家)「新型コロナ対策は急速に展開すべきなので、ある程度はこういうことが起きるかなと予想し、事後的に捜査して取り締まればいいと思っていたんだけど、現役の市会議員がこんなことするなんて、まったく想定していませんでしたね」
国政の政党幹部もコロリとだまされていた。吉羽は2012年の衆院選、2013年の参院選、2017年の衆院選に立候補してすべて落選しているのだが、そのたびに「民主党「新党大地」「希望の党」の公認を取り付け、小池百合子・東京都知事も応援に駆け付けていた。言葉巧みに自分を売り込み、政党幹部も正体を見抜けなかったということだが、公認した責任は免れない。
菊地幸夫弁護士によると、吉羽は「懲役3年の実刑。余罪があればさらに重くなる」という。
(カズキ)