東大生コロナ留年危機 「代替措置なし」への恨み節 (モーニングショー)

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   東京大では新型コロナウイルスに感染して期末試験を受けられなくなった学生への代替措置がなくなったために、留年の危機に直面する学生が相次いでいる。感染が拡大するなかで、感染症の専門家が「エアロゾル(空気感染)対策に集中すべき」との提言を出した。2日(2022年8月)の「羽鳥モーニングショー」が特集した。

   ホテル療養中の教養学部1年生は言う。「現在、コロナの隔離で大学の試験を受けることができません」「留年してもう一回やり直す。コロナにかかったらもう無理ですね。諦めてください、って感じです」。東京大は現在、春学期の期末試験中だが、コロナ感染で試験を受けられない学生が相次いでいる。

  • こんなところにも新型コロナの影響が
    こんなところにも新型コロナの影響が
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感染対策見直し提言も

   これまで東大教養学部は、コロナなどで試験が受けられなかった学生には、「100点満点の追試」を実施してきたが、今年6月、春学期からは従来通りの「75点満点」に変更した。同学部は、「コロナ感染等による虚偽申請を防ぎ、公平性を求めるため。追試の受験者の勉強時間が長くなって有利になることを防止します」。

   しかし、学生は、「医学系や薬学系(の学部に進学するには)だいたい平均90点くらい必要。試験の満点が75点になったら、他の学期で挽回しても無理です」。また、医学部を目指していた教養学部2年生は、「コロナに感染したための補講をお願いしたが断られ、単位が不認定となり、留年になりました」。この学生は、5月にコロナに感染して自宅療養した。合計6回のリモート授業のうち2回を欠席した。診断書を付けて補講措置を申し入れたが、日数の関係で補講は認められず、留年となった。

   教養学部学生自治会の長谷川恭平会長は、「真摯に対応すべき状況にきている。コロナ感染者への配慮、それに伴う社会に及ぼす影響をどう思っているのか、聞きたい」。番組が教養学部に問い合わせたところ、学生らへの措置は「再検討はしていない」。

   一方で、東北大の本堂毅・准教授らは7月25日に会見し、「接触感染はまれで空気感染が主ルート。徹底消毒より空気感染対策が最優先だ」と強調した。感染者の咳やくしゃみ、会話などから排出されるウイルスを含んだ飛沫のうち、空中を漂い続けるエアロゾルが感染の主原因になるとされ、この専門家グループは、「日本の基本的な感染対策は(世界と)相当ずれている。最初の段階で空気感染を否定したことが今に響いている」「ウレタンマスクや布マスクはエアロゾルには無力」とした。

コメンテーターの玉川徹(テレビ朝日社員)は、「去年の4月の段階で米国のCDC(疾病対策予防センター)が、接触感染の可能性は空気感染の1万分の1未満だと出している」

(栄)

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