NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」7月31日(2022年)放送回。梶原景時の亡き後、鎌倉殿の跡継ぎ問題を巡って北条家と比企家の争いは激化するばかりで、御家人たちのパワーバランスが崩れ始めた。(ネタバレあり)
天下泰平の「泰」
義時(小栗旬)は北条と比企の争いの激化を懸念していた。そんな中、つつじ(北香那)が源頼家(金子大地)の次男・善哉を出産。三浦義村(山本耕史)が乳母夫となった。一方で、比企能員(佐藤二朗)は長男・一幡が嫡男だとけん制する。
鎌倉ではますます両者の争いをめぐり、頼家と御家人の関係が悪化していた。建仁元年(1201)9月、伊豆、坂東では台風により大きな被害を受け、農家が不作で苦しんでいた。それにもかかわらず、頼家は対策を講ずることなく蹴鞠に明け暮れていたのだが、北条頼時(坂口健太郎)が、伊豆に赴いて、米で揉めていた百姓と代官たちの間に入る。
代官から借りた米を返済することが書かれた証文を、いきなりビリビリと破りすてる頼時。上司の断りもなく勝手にその場で事を収束してしまった。これはもしや頼家の咎めを受けるのでは?と良からぬ予感は残念ながら的中。
この事態をどこかから聞いた鎌倉殿。頼時への嫌がらせがはじまった。頼朝の頼の字が「頼朝」からもらったものだと知っている頼家は、その字を「没収」するというのだ。つまり降格人事としての改名、鎌倉殿のお裁きである。そして「泰時。泰は天下泰平の泰だ」と新しく名づけられた。「天下泰平の泰を使った泰時に変えてもらってよかったのかもしれないなって思う」「太郎と頼時と泰時と名前が多すぎる」などネットでも改名の場面で反響があった。
北条泰時がついに誕生しましたな。しかし、泰時は早速、鎌倉殿の側近というお務めを解かれてしまった。「納得がいきません!」と父・義時に改名の不服を漏らしていたが、義時は「もう忘れてろ」と。でも頼朝からもらった字を剥奪されてしまって、義時としても本当は寂しいのでしょうね。
義時と性格が似ているという設定の泰時が誕生した一方で、頼家は一層孤独になっていく。血生臭く揺れ動く鎌倉の行方が、どうやって描かれるのか、ますます見逃せない。
(Y・U)