<1年前のワイドショー> 緊急事態宣言下の東京五輪 当時の「危機感」はどうだった?

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   <1年前のワイドショー> 昨(2021)年の今ごろは、東京五輪での日本選手のメダルラッシュが続き、ワイドショーはほぼ五輪の話題で占められました。しかし、緊急事態宣言下の東京では感染者がさらに増え、コロナ関連も重要なニュースになっていました。どんな情報を優先して視聴者に伝えるのかは、局によって差が出るところです。

   (J-CAST)ワイドショー通信簿の「五輪とコロナと『スッキリ』の扱い 都で感染確認『初の3000人超』の伝え方」(21年7月29日、日テレ系「スッキリ」)をみると、他局の「めざまし8」も「モーニングショー」も番組冒頭で新型コロナ関連の話題を取り上げていのに、「スッキリ」がコロナの話題を取り上げたのは五輪の話題の後、番組開始から1時間50分近くがたってからだった、と指摘していました。

  • 東京五輪から1年(写真はイメージ)
    東京五輪から1年(写真はイメージ)
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「東京都では2日連続で過去最多」

   内容的にも、アナウンサーが「東京都では2日連続で過去最多となっています」「年代別では30代以下が68%を占めています」などと数字を読み上げた後、コメンテーターが感想を述べただけ。記事には「時間はわずか3分間」だったとあります。MCの加藤浩次さんも「ちょっと緩くなっている部分が僕自身もあると思う...」。

   翌30日の「スッキリ」は、前日よりは長くコロナの話題を取り上げていたようです。「発信力不足の政治家、土屋アンナ『みんながついてくるような言葉が大事』」は、肝心の政治家たちは危機感を共有しているのだろうかと問いかけていました。

   東京都の小池百合子知事は会見で「オリンピックはステイホーム率を上げている」と発言。菅義偉首相(当時)は、官邸で記者団から「国民の生命と健康を守るという五輪開催の前提は、今の感染状況にかなっているのか」などと質問攻めにあったのに、「人流は減っている」などと従来の主張を繰り返すだけだった、としています。

   五輪やコロナだけでなく、痛ましいニュースもありました。

   「保育園児、送迎バス内で熱中症死のとんでも事故! 登園時の置き去りだれも気付かず」(同7月30日、テレビ朝日系「モーニングショー」)が伝えた事故はその一つです。登園時の送迎バスに園児が残されているのに誰も気づかず、朝から閉じ込められて熱中症死した事故でした。この地域での最高気温は33度を超えていたようです。

   各局で扱う情報が「一色」になる傾向は以前からありますが、その陰に隠れることなく、伝えるべき大切なニュースも逃さずに伝えてほしいと思います。悲劇を繰り返さないためにも。

(コムギ)

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