橋本愛さん扮する謎の家庭教師・根津寅子(通称トラコ)が、問題を抱える3つの家庭で授業を行う「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系)。受験テクニックではなく「正しいお金の使い方」を教えるという新しい切り口と、多彩なコスプレで複数のキャラクターを演じ分ける橋本愛さんの熱演が、話題を呼んでいます。
中流家庭の中村家で1万円の使い道を教えた第1話に続き、7月27日(2022年)放送の第2話のテーマは貧困家庭の下山家で5000円の使い道を教えること。「いじめ」に切り込んだ内容に、放送終了後のSNSでは賛否両論が飛び交っていました。(以下ネタバレを含みます)
たどりついた「5000円の使い道」は?
第2話の舞台は、母の智代(板谷由夏)が小さな定食屋を切り盛りしながら、ひとり息子の高志(阿久津慶人)を育てる下山家。成績優秀でいつも店の手伝いをしてくれる高志は智代の自慢ですが、実は同級生たちからいじめられ、カツアゲされていたことを智代は気づいていませんでした。
高志が店のレジからお金を盗む現場を目撃したトラコは、「一緒に行ってやる」といじめっ子たちのもとに向かい、カツアゲしたお金の使い道を尋ねます。彼らの様子からゲームの課金に使うことを察すると、呆れてその場を去ったトラコ。断りきれずに5000円を渡してしまった高志に、「あの5000円は、本当はどう使わればよかったか、考えてみよう」と宿題を出します。
しかし、宿題の答えを出せなかった高志は、暴言をぶつけて母の元から去り、裕福な父のもとで暮らすことに。学校も転校すると決めますが、ツイッターなどで賛否両論を呼んでいるのがここでトラコがとった行動です。
河川敷でカツアゲしている中学生に絡んでいき、「喧嘩で大切なのは先制攻撃」と頭突きをかましたり、相手にわざと殴らせて「いくらやられても相手から目を逸らさないこと。そうやってこっちが本気だって伝えるんだ」と伝えたりと、ケンカの作法を教えるトラコ。それでも「しょうがないだろ」という高志を、トラコはこう一喝します。
「私には嫌いな言葉が3つある。一つ目が『わかんない』で、2つ目が『しょうがない』だ。しょうがないって言うのは、頭では分かっているけど、現実こうするしかないでしょって諦めてるだけで、わかんないより何倍もタチが悪い。何もしないで諦めてるだけだろ、お前は。どんな暗闇で逃げずに突っ込んでいけよ。結局お前は勇気がないだけだろ。どうする? このまましょうがないで済ます?」
この言葉に奮起した高志は、いじめっ子に殴り倒されながら何度も立ち上がって向かっていき、5000円を取り返すことに成功。高志が考え抜いてたどりついた「5000円の使い道」は、いつも自分のために働き笑顔で励ましてくれる母に綺麗な花束をプレゼントすること。再び母子2人で暮らすことになり、涙・涙のハッピーなエンディングでした。
この展開にツイッターでは「トラコ先生の言葉、めっちゃ胸にくるものがある」「親子で号泣した」と称賛する声がある一方で、「嫌なことから逃げてもいいし大体転校は逃げでもなんでもない」「製作陣の『いじめは立ち向かうもの』という考えが伝わってきて嫌悪感ある」という声も。見る人によってさまざまな解釈があり、少しもやもやとしたものも残った第2回の放送でした。
(Hibunny)