新型コロナの感染急拡大で、多くの薬局では抗原検査キットが品切れとなっている。政府は「約1億8000万回以上の在庫がある」としているが、どこで目詰まりを起こしているのか。きょう28日(2022年7月)の「めざまし8」が掘り下げて伝えた。
27日、東京都内の薬局ではまだ抗原検査キットを対面販売しており、「会社の従業員用」「家族が出張が増えてきたので」などという客が次々と訪れていた。店によると、1日に100~200キットが売れるという。
しかし、別の薬局では「2~3週間前から出荷調整で品物が入ってこない」。番組が豊島区内の20の薬局について調べたところ、18店で品切れ状態だった。
卸会社「在庫がないことはないが、通常の要望をはるかに超えている」
日本医師会の松本吉郎会長は27日の記者会見で「現場では非常に(抗原検査キットの)不足感が強い。日本には1億数千万のキットがあるということだが、それが実際どこにどのような状況であるかということについてはつまびらかにはされていない」と指摘した。
背景には、今月22日から始まった政府の新たな方針がある。濃厚接触者の待機期間について、2日目と3日目に抗原検査での陰性が確認されれば3日目で待機が解除されることになったため、抗原検査キットのニーズが高まっているというのだ。
番組が取材した医薬品卸売会社は「在庫がないということはない。ただ通常の要望をはるかに超えている。現状、医療機関への納入をまず優先している。過去に実績のない薬局や高齢者施設、企業からも要請が来るが、希望の分の納入ができない」と話していた。
昭和大学の二木芳人・客員教授「生産体制は整備されてきていますが、感染者が急増したことと、流通がうまくいっていないのではないでしょうか」
MCの谷原章介「岸田政権は1月には(抗原検査キットの)増産という方針を打ち出していた。生鮮食品ではないのだから、なぜ積み上げてストックできていなかったのでしょうか」
大空幸星(実業家)「検査キットは医療従事者や高齢者施設で働いている人たちのためにあるもの。なんでもかんでも検査しなくちゃいけないという考えを捨てて、軽症であれば家で寝ていることも大事だと思います」
(キャンディ)