米国オレゴンで行われている陸上の世界選手権の男子4×400メートルリレーで25日(2022年7月)、19年ぶりに決勝に進出した日本チームが初めて3分を切り、アジア新記録で4位に入賞した。2年後のパリ五輪ではメダルに届きそう、と期待が高まっている。26日の「めざまし8」が特集した。
3レーンからスタートした佐藤風雅選手(26)と2番手の川端魁人選手(23)は強豪相手に一歩も引かず、ほとんど差がないまま7位で3番手にバトンタッチ。ウォルシュ・ジュリアン選手が(25)力強い走りでぐいぐいと攻め、最後にはさらに一人抜いて4位に浮上。アンカーの中島佑気ジョセフ選手(20)が、この位置を守り切った。
世界陸上のこれまでの最高7位を上回り4位入賞
これまでの世界陸上の最高は7位、オリンピックの最高はアテネ五輪の4位だ。2分59秒51のアジア新記録を樹立した。
ウォルシュ選手の高校時代の恩師で東野高校陸上部顧問の武井智巳教諭は、「レース終わった直後に、すごかったね、とLINEを入れたら、『覚醒しましたわ。まだまだこれからですよ』みたいなかんじでしたね」。ウォルシュ選手が陸上を始めたのは、高校生になってから。ウサイン・ボルト選手に憧れて、中学時代に陸上部に入ろうと思ったら、陸上部がなかったためバスケット部に。「後半にしっかりとタイムを落とさずに、押しきれちゃうようになった。大学で(100メートルの)桐生選手などトップレベルの選手と練習するようになってから、トップスピードに乗れるようになった」。
中島ジョセフ選手が入っていた陸上クラブによると、「種目を決めなかったことが、速さの秘訣」だという。川口博正監督は、「短距離ばかりでなく、長い距離もやっていた。スピードを維持できる力が強い。リレーでも後半がめっちゃ強い」。川端選手のトレーニングを指導するクリニックの末武信宏院長は、「従来、短距離のアスリートは、ウエート系に頼るトレーニングが多かったが、呼吸機能をあげる取り組みをした」。佐藤選手は、作新学院の陸上部時代に、カール・ルイス選手から走りを伝授されたという。
コメンテーターの武井壮さんは、「400メートルの練習は、100メートルや200メートルの3、4倍は厳しい練習をしている。しかし、注目度は決して高くなかった。そういう努力をしてきた彼らがやっと世界の表舞台のトップクラスに立てたのは、素晴らしい」「過去に400メートルで決勝に残ったのは、高野進さんだけ。かなり前のことで、そこに迫っているのがウォルシュ選手。彼らが伸びてくれば、パリ五輪では夢が広がると思う」。
(栄)