橋本愛さんが主演を務める夏の新ドラマ「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系)が7月20日(2022年)、スタートしました。大ヒット作「家政婦のミタ」(2011年)を生み出した、脚本家・遊川和彦さんとプロデューサー・大平太さんが再びタッグを組んだことで話題を呼んでいるこの作品。ツイッターでは放送直後から「家政婦のミタ」が検索ワードに急浮上し、「家政婦のミタとめっちゃ重なる」「家政婦のミタのような、(脚本家が同じ)女王の教室のような、似てる」といった投稿が相次ぎました。(以下ネタバレを含みます)
本作は、橋本愛さん扮する謎の家庭教師・根津寅子(通称トラコ)が、問題を抱えている3つの家庭を救うヒューマンドラマ。家庭教師というよりも「家庭の教師」であり、教えるのは受験テクニックではなく「正しいお金の使い方」という、現代ならではの切り口となっています。
「本当の狙い」は?
第1話の舞台は、一人娘の私立小学校合格を目指す中村家。苦戦続きの中、なんとか合格させたい母の真希(美村里江)は、「どんな志望校も合格率100%、授業料はそちらが決める」という宣伝文句に惹かれ、トラコに家庭教師を依頼します。
メリー・ポピンズのような衣装で中村家に現れたトラコ。
「教育方針には口を出さない」「授業中は部屋を覗かない」「授業の日は家に泊めてもらう」と3つの条件を掲げ、授業料として1万円を受け取ると、娘の知恵(加藤柚凪)の部屋で2人きりになり、こう言います。
「あなたは、何が知りたいの?」
「えっと、なんで知恵はお受験しないといけないの? お母さんは受験するように言うけど、お父さんはそんなことをしなくていいと言ってる」と話す知恵に、トラコは「それは、ママとパパはあなたに幸せになって欲しいけど、その方法が違うの」と答えます。
「では、知恵ちゃんにとって幸せとは何か、考えてみましょう。この1万円を使って、幸せになる方法を見つけるの」とトラコが知恵に手渡したのは、受け取ったばかりの1万円でした。
おもちゃ屋で好きなものを買わせたり、競馬場で万馬券を狙わせたりと、常識外れの行動で中村家の問題に切り込んでいくトラコ。かなりの荒治療ではありますが、子供扱いせずに「自分で問題に向き合い、考える」ことで知恵は成長し、喧嘩ばかりしていた夫婦にも笑顔が戻る、という展開となりました。
本作の肝となりそうなのが、「家政婦のミタ」を彷彿とさせるトラコの強烈なキャラクター。第1話では、高卒で貯金が8000万円以上あり、家庭に恵まれなかったことが明かされたほか、トラコがPCモニターで「親の職業一覧」を確認し、担当した親の職業に赤線を引く場面が映し出されていました。
ラストには、トラコの幼馴染でマネージャーのように働いている福田福多(中村蒼)が、「お前の本当の狙いを知ったら、みんな驚くだろうな」と意味深に呟くシーンもあり、Twitterでは「親の職業をコンプリートしたいんか?」「狙いは家庭をよくすることなのか?」など、推察を楽しむ声も。第1話からミステリアスな「遊川ワールド」に引き込まれる人が続出しているようでした。
もうひとつ、話題を呼びそうなのが、教える子供によって変幻自在にキャラクターを変える橋本愛さんの熱演ぶりです。第1話ではメリー・ポピンズのような衣装でクールに振る舞っていましたが、第2話ではハキハキと話す熱血教師のキャラクターに豹変。演技力で定評がある橋本さんだけに、さまざまなコスプレと演じ分けに今後も期待が持てそうです。
(Hibunny)