<1年前のワイドショー>例年7月から8月にかけては、甲子園を目指して全国で高校野球の熱戦が繰り広げられます。昨(2021)年も、無観客ながら大会が開催されましたが、部員らのコロナ感染で出場を辞退する高校も相次ぎました。
中でもワイドショーで話題になったのは、鳥取大会で優勝候補とみなされていた米子松蔭高校の出場辞退でした。7月17日が初戦でしたが、学校関係者の感染が分かり、高野連の規定により直前になって出場を辞退したのです。しかし、感染者は野球部の関係者でなかったため、「かわいそうだ」との声が広がりました。
野球部主将のツイートがきっかけ
(J-CAST)ワイドショー通信簿の記事をみると、「高校野球 米子松蔭『出場辞退』に違和感続出 橋下徹『オリンピックをみてください』」(21年7月19日、日テレ系「スッキリ」)は、番組コメンテーターの橋下徹さん(弁護士・元大阪府知事)が憤って述べたコメントを紹介しています。
「高野連の規定、何ですか。(略)責任逃れとしか思えない。子どもたちのことを考えると、あの手この手を尽くしてでも、何とか参加させるように考えるべきですよ」
こうした声は広がり、一転、出場が認められたのです。「米子松陰、一転出場に『良かったですね』 夏目三久は『ほかの出場辞退部活』にも言及」(同7月20日、TBS系「あさチャン!」)が、経緯を伝えています。
きっかけは、野球部主将のツイートでした。
「(略)試合もできずに、このまま終わってしまうのは、あまりにも辛いです。何とか出場する道を模索していただけませんか?」
このツイートが全国に拡散、大阪府の吉村洋文知事も「あまりにも酷すぎる」と述べるなど著名人からの発言も相次ぎ、学校が高野連に大会復帰を求める嘆願書を提出。それが県高野連に認められて、晴れて出場となりました。
改めて21日に行われた境高校との一戦は、2対0とリードされていた米子松蔭が、9回裏に3点を返すという大逆転勝ちとなりました。
「再試合認めた境高校へのコメントはなしですか? 『スッキリ』が伝えた米子松蔭『大逆転劇』」(同7月22日、日テレ系「スッキリ」)の記事では、試合結果を伝えながらも、一度は不戦勝となった対戦相手の境高校にも触れ、「『試合ができてよかった』『奇跡の大逆転』と米子松蔭だけを持ち上げるのではなく、境高校へのコメントも出演者から欲しかった」と結んでいます。
米子松蔭は結局、次の八頭高校との試合に11対10で敗退(甲子園出場は米子東高)しましたが、コロナ禍の中で「思いやり」が詰まった話題として、記憶に残りました。
(コムギ)