先週金曜日(2022年7月8日)、街頭演説中の安倍晋三・元首相が凶弾に倒れました。今週(11日~)のワイドショーは、山上徹也容疑者(41)の人物像や、凶行に及んだ動機に挙げている宗教団体の実態について、詳報していました。この宗教団体は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)で、事件を受けて会長が会見しました。
(J-CAST)ワイドショー通信簿の「旧統一教会の会見内容 『モーニングショー』が伝えた論点」(12日、テレビ朝日系)が、会見内容の詳細を伝えています。田中富広会長は「教会に対する恨みから安倍元首相の殺害に至るということはとても大きな距離があって、私たちもその理解に少し困惑している」などと述べた、とあります。
「被害者が相談に駆け込める場所」の紹介も
これに対し、被害対策にあたる全国霊感商法対策弁護士連絡会が会見を開き、教会側の「献金はご本人の心情に基づいて...」などの主張に対し、真っ向から反論しました。「旧統一教会被害者弁護士ら会見 同席の元信者女性が語った内容」(13日、同「モーニングショー」)をみると、会見には元信者の女性も衝立ごしで証言、「容疑者がしたことは何一つ正しいとは思わないが、人生を統一教会により破綻させられた身としては苦しい心情です。統一教会は人生を破壊します」と語ったとあります。
「全国霊感商法対策弁護士連絡会が会見 旧統一教会の主張を批判」(13日、日テレ系「スッキリ」)には、弁護士らが「政治家の方々が、繰り返し違法判決が下されている教団を支持する行動は慎んでほしいと、改めて切実にお願いしたい」と訴えたとあります。
さらに「加藤浩次『信仰2世』問題で『駆け込める場所がある、と伝えたい』」(14日、「スッキリ」)で取り上げている、親が入信した『信仰二世』の話は身につまされます。両親は合同結婚式で結婚。お金を教団に貢いで借金をして、いつもおカネがなかった、としています。高校生になって疑問を持ちはじめ、祖母が病気になったときに(親が)「早く死ね」と罵声を浴びせるのをみて矛盾を感じ、結局、家出したようです。
番組では、被害者が相談に駆け込める場所として、「全国統一教会被害者家族の会」、「宗教2世ホットライン」、「全国霊感商法対策弁護士連絡会」の3カ所を紹介していました。
凶行は断じて許せませんが、容疑者の動機の背景にある、教団の存在と、被害者の実態、さらには政界との関係も、さらなる解明が待たれます。
(コムギ)