加藤浩次「悪いのはカスハラする人間側」 公共交通機関での横行に「会社」の姿勢に注文も

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   岩田絵里奈アナが「こちらをご覧ください」と紹介したのは、今(2022)年2月に撮影された横浜市内のタクシーのドライブカメラ映像。乗り込んだ30代くらいの男性客が行く先を告げると、「痛いっ」と言ってメガネを落とした。そして「ヒビ入っちゃった。真ん中のところが折れた」と運転手にメガネを見せる。運転手は「あらら、いくらするの?」と聞くと、客は「39万」。運転手は「えええっ!」と絶句した。7月15日の「スッキリ」。

  • 公共交通機関で起きていること(写真はイメージ)
    公共交通機関で起きていること(写真はイメージ)
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およそ2人に1人が「受けたことがある」

   岩田アナは続けて「このような客からの悪質なクレーム、迷惑行為、暴言などをカスタマーハラスメント、いわゆる『カスハラ』というのですが、いまこれが公共交通機関で増えているという調査結果が出ています。電車・バスなど公共交通機関で働く人約2万人に、この2年でカスハラを受けたことがあるかとアンケートしたところ、46.6%、およそ2人に1人が迷惑行為があったと答えています」と話した。

   冒頭のタクシーの乗客について運転手は「その男性はほかでも何回もやっているという情報が入っていた」と打ち明ける。男は対価の支払いを求めたが、運転手に「弁償するなら警察に行って事故証明を取りたい」と言われて、「いくら持ってる?」と運転手に聞く。運転手が「持ってないよ。1万円しかない」と弁償を拒否すると、キレ気味に「ほかのタクシーに乗るからもういいよ。降ろしてくれ」と言い、運賃も支払わず降りていった。

   全日本交通運輸産業労働組合では「特に問題なのはネットでの誹謗中傷という新たなカスハラが増えていること。泣き寝入り状態です」と話す。

   岩田アナは「今、公共交通機関で働く人へのカスハラでは動画を撮影し、勝手にネットに公開されること」と説明する。7月4日には、山手線渋谷駅で財布を線路上に落とした男が、非常ボタンを押し駅員に注意される動画を盗み撮りし、ネットで公開して非難された。

   ITジャーナリストの三上洋氏は「何らかのトラブルが起きたとあれば、みんなに注目される動画をアップしたいという思いもあると思います。動画がバズることになるので自分の存在感も高められる」とその心理を解説した。前出の労組では「制服を着用していることで口答えできないだろうという先入観がある。サービスを提供する側と受ける側がなぜか主従関係に陥ってしまっている」と話す。

橋本五郎「敢然として戦わないとダメですよ」

   サービスを受けて当たり前と考える人が多い事例はほかにもある。先週、あるタクシーの運転手が客を乗せると、客に「住所を言うから待って」と言われたが、長く停止していると迷惑がかかる場所だったので一歩前に車を出した途端「言う前に車を出すな」とキレられ、乗務員証をスマホで撮影されたという。飛行機では客室乗務員が男性客にしつこくスケジュールを聞かれ、返答を交わしていると「お前は客を選んでいるのか。こっちは乗ってやってるんだぞ」と言われた。また台風で欠航すると伝えると「この程度の台風で欠航とは何事だ。貴重な時間と金を返せ」と言われたという。

   労組によると「セクハラ、パワハラについては対策を講じることが法で義務付けられているが、カスハラについては法的裏付けがない」と話す。そのため最近では公共交通機関全体でカスハラ対策に動き始めている。

   司会の加藤浩次は「会社側の人たちの気持ちがわかるんですよ。間違っていると言われたらどうしようとか、自分の顔写真をSNSでばらまかれたらどうしようとかね。でも間違ってるのは相手だから。断固たる態度で、会社側が社員を守る対応をしていかないと変わらないと思う」と主張。

   読売新聞特別編集委員の橋本五郎は「まったくその通りです。お客様は神様といわれるが、おかしいことがあるとすぐに報告されて、弱い立場にいる。敢然として戦わないとダメですよ」とコメント。

   SHOWROOM代表の前田裕二は「カスハラから従業員を守るぞという断固たる姿勢を打ち出さなければいけないと思う。今回の問題に関しては、フルネームを公開しているから個人情報が拡散されるという面もある。もうそこは時代に合わせて変えてもいいのではないか。顧客と従業員のコミュニケーションのために名前が必要だというならば、本名ではなくニックネームでもいいのではないか」と提言した。

   加藤は「悪いのはカスハラする人間側。ここは間違わないようにしないといけません」とまとめた。

(バルバス)

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