参院選の演説中に銃撃されて死亡した安倍晋三元首相について、岸田文雄首相はきのう14日(2022年7月)、国葬を行うことを発表した。おとといの「めざまし8」で、国葬については賛否があることを伝えたばかり。スピード決定の背景には何があったのか。きょうの番組が掘り下げた。
きのうの記者会見で岸田首相は、国葬を行う理由として「憲政史上最長の8年8カ月にわたり、卓越したリーダーシップと実行力をもって総理大臣の重責を担ったこと、東日本大震災からの復興や日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開など大きな実績を残したこと」と説明。国葬は今秋に行い、全額国費でまかなうとしている。
谷原章介「ここで先延ばしにするよりも...」
これに対し、日本維新の会の松井一郎代表は「反対ではないが、安倍元首相とご家族は望まれているのかと懸念している。大々的にやる分、経費もかかる。その批判が遺族にいかないことを願います」と疑問を呈した。2020年に行われた中曽根康弘元首相の合同葬では、総額約2億円の費用のうち約9600万円が国費でまかなわれ、「税金を使うのはどうなんだろうという議論は存在しました」と西岡孝洋アナウンサーが伝えた。
中央大学の宮間純一教授は、国葬実施にあたってのハードルとして、全額国費から賄うという点に加え、特定の宗教のやり方で宗教を行うことが政教分離に反するという点も指摘している。吉田茂元首相の国葬では、宗教色を一切排除し、お経や祝詞はなかったという。
このタイミングで国葬の発表があったことについて、政治ジャーナリストの田﨑史郎氏は「国内外で安倍氏への評価が高まっており、今なら国民の理解を得やすい。安倍氏を支持していた保守派議員への配慮という政治的思惑もある」と指摘している。
風間晋(フジテレビ解説委員)「岸田首相が自分の政権運営と結びつけて考えるのは、政治家である以上当然です。今発表することで、議論の機先を制するという意味もあったと思います」
MCの谷原章介「ここで先延ばしにするよりも、早い決断の方がイメージもいいでしょうしね」
(キャンディ)