岩田絵里奈アナが「奈良市で安倍晋三元首相が銃で撃たれ死亡した事件で、逮捕された山上徹也容疑者が『母親が祖父の土地を勝手に売りはらい、宗教団体につぎ込んだ』と供述していることがわかりました。番組では、親が入信した『信仰二世』の方を取材しました」と切り出した。14日(2022年7月)の「スッキリ」。
番組によると、登記簿を確認したところ、容疑者の母親は1998年に祖父の宅地を相続し、翌年に売却。2002年に破産申告をしている。
どんな生活だったのか
旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の信者の子供はどんな生活になっているのか。20代女性の信仰二世が取材に応じ、「合同結婚式で結婚した両親の仲は悪くないが、お金のことでもめることはあった」と話し始めた。「お金を教団に貢いで借金をしているので、いつもお金がありませんでした。夫婦で互いを責め合ったり、いとこや親戚に電話をして代わりに献金することを頼んでいることもあった。子供には無駄遣いをするなと言い、靴もランドセルもおさがり、食事は近所からお米をもらったりして、ひもじい思いをした。1万円の卒業アルバムを買ってもらえず、とても恥ずかしい思いをした」という。
献金システムについても「給料の10分の1は献金で、それが当たり前のことだったので疑問には思ってなかった。考える力が奪われていた。子供は親を信じるので疑うことはなかった」とその20代女性は話す。疑問を持ち始めたのは高校生の頃、アルバイトを始めたときだった。
「働いて得た10万円くらいのお金を親に取られる。給料日に職場に取りに来たこともあった。祖母が病気になった時に『早く死ね』と罵声を浴びせるのを見て矛盾を感じた。教会は『真の家庭を作る』をスローガンにしているのに、現実は違うことが多すぎると思った」と女性は言う。その後女性はストレスで体調を崩し、精神的な病気で入院。「入院中に勝手に私の通帳から隠しておいた20万円が引き出されたこともある。引きこもって天井を見つめる日々を過ごしていたら、妹から『お母さんがお姉ちゃんはいつになったら働いてくれるのかと愚痴っている』と聞かされ、もう家を出ようと決意した」と告白した。
被害者の弁護士らが開いた会見では高校生の時に母親が入信したという40代の女性信仰二世が、その実態を告発していた。40代女性は「母を受け入れることが親孝行と勘違いしていたので、自分も入信した。合同結婚式で結婚したが、教祖から『相手がどんな国の人でも、どんな人でも断るな。すべてを神に預けるように』と誓わされた。結婚したのは2歳年下の韓国人で、家も親も仕事もない男。しかも殴る人で、つらくなって上に相談したが『あなたの信仰が足りない』と言われた。娘に暴力が及ぶことを心配して母に相談したが『絶対に離婚はダメ』と言われた」という。それでもようやく離婚が成立。再び合同結婚式で結婚したが、自分のカードを全部使われて自己破産した。教祖が亡くなって、洗脳が溶けた」と打ち明けた。
フリーアナウンサーの高橋真麻は「小さい子供は親がすべてなので親が喜ぶならと、言うことを聞く。中学・高校で友人に接して違和感を感じても、抜け出すのは難しいと思う。助けようにも信仰の自由が建前になっているので、児童相談所も動きづらいのではないか。仕方ないでは終わらせられない問題だと思う」とコメント。
司会の加藤浩次は「教団側の会見ではノルマがないと言っていたが、二世の話を聞くとズレがある」と指摘。
経営コンサルタントの坂口孝則は「この問題を追及する人がいてしかるべき。自分にも2人の子がいるが、教室では宗教はタブー視されていて教えられていない。大学に入学してからも聞かされない。なので相談場所を知らされずに大人になる。ホットラインがあることをもっと強調したほうがいい」と訴えた。
タレントのモーリー・ロバートソンは「僕は1981年にハーバードに入った時に勧誘を受けたことがあるが、勧誘の手口などの研修を受けていたので免疫があった。統一教会はアメリカでも巨大な組織で、彼らの分派が勢力争いで過激化している。去年の議会襲撃事件にも参加していた。射撃訓練をしている信者もいるといわれている。日本でも放置すれば分派が過激化する可能性がある」と話した。
岩田アナが最後に、信仰二世が相談に駆け込める場所を3カ所紹介した。「全国統一教会被害者家族の会」、「宗教2世ホットライン」、「全国霊感商法対策弁護士連絡会」などがある。
加藤は「駆け込める場所があるということを伝えたい」とまとめた。
(バルバス)