安倍元首相が銃撃され死亡した事件で、山上徹也容疑者(41)が恨みを持っていたとされる宗教法人「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)がきのう11日(2022年7月)、記者会見を開いた。12日の「モーニングショー」はきのうに続いて司会の羽鳥慎一が容疑者の供述や家庭連合の会見を説明しながら背景を探った。
山上容疑者は、「安倍元首相がビデオレターを投稿していることなどを見て殺すしかないと思った」と供述している。山上容疑者が示したビデオレターとは、21年9月に国際NGO団体UPF(天宙平和連合)の集会に安倍元首相が贈ったビデオメッセージのようだ。集会にはアメリカのトランプ前大統領のビデオメッセージも紹介されたという。
「とても大きな距離があって...」
これについて、家庭連合の田中富広会長は「憶測だが、(山上容疑者は)は当法人と友好団体(UPF)の区別がついていなかったのでは」と話す。家庭連合とUPFは創設者・総裁は同じだが、互いに独立性を持った友好団体という。
犯行動機についても、田中会長は「(教会への恨みが)真実の動機だとしたらとても重く受けていく。教会に対する恨みから安倍元首相の殺害に至るということはとても大きな距離があって、私たちもその理解に少し困惑している」と述べた。
また、山上容疑者は「祖父の岸信介元首相が宗教団体を日本に招いたという話があり、親族である安倍元首相を狙うことにした」とも言っている。田中会長は「岸元首相は平和運動に強く理解を深めて下さったと承知しているが、何か特別な計らいをしたとか特別な影響を与えているということは、まずないと思う」と答えた。
消費者被害や宗教・カルトの法律問題に詳しい弁護士の紀藤正樹弁護士は「きのうの会見を聞いて、一言いうと、誠実さを欠いていると思いました。家庭連合と友好団体(UPF)は実態は一緒なんです。岸元首相に関しても、ちゃんと調べて話してほしい」と語った。
事件の背後にはまだありそうだ。
(一ツ石)