奈良市で演説中の安倍晋三元首相(67)を狙撃した山上徹也容疑者(41)は、動機について「母親が宗教団体に多額の寄付をして破産した」と供述している。
「なぜその恨みが安倍元総理に向かってしまったのか、ちょうど20年前を境に、裕福だった暮らしが大きく変化したことが見えてきたんです」と、きょう11日(2022年7月)の「めざまし8」で、司会の谷原章介が切りだした。
容疑者の中学・高校時代
番組が独自取材したという山上容疑者の中学時代の写真には、バスケットボール部の仲間とともにユニフォーム姿で座っている姿が写っていた。高校時代は応援団に所属、当時の同級生は「学ラン来て暑い中、結構真面目にやっている感じでした。『団長』」ってあだ名でみんなに呼ばれていました」と話した。
中学時代部活が一緒だった知人は「模範的ないい中学生。賢いですし真面目ですし。不平不満も言わず、勉強も運動も平均以上にできる人」と話す。
高校は奈良県内有数の進学校。一家をよく知る人物は「(祖父は)建設業をしていて普通のサラリーマンよりは(稼ぎが)あったと思います。国産の高級車に乗りそんなに苦しいとことはなかった」。母親と祖父、妹と比較的裕福な生活をしていたという。
それが一転した。容疑者が18歳のころの2000年、母親が宗教団体に入信し、2年後に破産したのだ。山上容疑者は、「母親が多額の寄付をして破産したので、成敗しないといけないと思った」と供述しているという。
この宗教団体は番組の取材に「毎月収入の10分の1を献金するのが一般的だが、強制は一切ない」と話しているといい、きょう(11日)午後2時から会見する予定だという。
谷原「当初は民主主義への挑戦みたいな報道もあったりしたが、結果、特定の団体への恨みが元総理に向かった、いかが思いますか」
総合解説の橋下徹(弁護士)「供述内容をしっかり見ないと、見誤ると思う。怨恨と言うことであれば、そのきっかけは何だったのか。単純に民主主義への挑戦とか、政治学者の中には226事件に戻るんじゃないかとか、戦前に戻るんじゃないかとか、意見を言っている人も多いが、それは違うと思う」
社会学者の古市憲寿「過去に政治家が襲われた事件は何件もあるが、政治的信念で襲われたのとはまるで違う。ネットを中心に陰謀論のように安倍さんと宗教団体の関係がすごく深いんじゃないかと議論されていた」「犯人は宗教団体を恨んでいた、にもかかわらず、安倍さんと宗教団体が近いという『陰謀論』という違う信仰の信者になってしまって犯行に及んだというのは皮肉だなと思います」
(コムギ)